ひと目、吸いこまれるような、
うるおいと透明感。消えてしまいそう。
なんとなく夢みたいな、白い部屋だった。

それも、けっこう広いのだ。
ひとり暮らしには十分すぎる程なのだ。
私は、戸惑いながらも徘徊しはじめた。

向こうにも窓があり、風通しが良い。
奥には、キッチンが隠れているようす。
それにしても、足もとの床は、さらさら。

あら、角を曲がると、小部屋みたいに。
大きな窓があり、涼しげなキッチンです。
ここに椅子を置いて、ぼうっとしてみたい。

おや、そうか、あそこにあるのは、
扉と並んでいたのは、やっぱりあれ、
ウォークインクローゼットなのですね？

私は、私の夢の中でも、WICが好きだった。
こんな所に閉じこもりたいのは同じだった。
書斎にしたいと願わずにはいられなかった。

間取り図を見ても目がさめないのは、
14帖もあるワンルームでうれしいから。
都会のマンションの片隅にひそみたい。

ああ、こっちにはオープンクローゼット。
荷物や洋服はこっちにしちゃえばいいね。
（そうしたら書斎が作れると思うから）

洗面台はきゅうくつそうにしていたが、
うるおいと透明感は、そのままだった。
サニタリーって、いつも夢っぽいかも。

お風呂にも窓があるな、と私は思った。
空気が入れ替えられるのは、いいこと。
温かい季節にはいつも開けておこうと。

ああ、ここが消えてしまう前に、
引っ越しをしないと、と夢で私は思う。
けれどもこれは現実で、ちゃんと存在して、
会社からもけっこう近い部屋なのでした。