二人の真ん中にちゃぶ台があった。
この物件は現在は募集終了している可能性が高いです。過去物件のアーカイブとしてお楽しみ下さい。
実家からあんまり荷物を運ぶのは
やめようと言っていたのに。
畳にはちゃぶ台でしょ、と彼女が
年季の入ったそれを畳に置いたら、
部屋の空気が急に心地よくなった。
別に個室はなくてもいいかな、と
私も彼女も同じ意見だった。
放っておけばどこにでも一人で行く
二人だから、集まる場所を作ろうと
彼女が言うのだった。
料理をしてる間も話せるように、と
対面式のキッチンにしたのは彼女の
強い強い要望だった。
お揃いのエプロンいいじゃん、と
笑いながらつけて、二人で色々な
料理をつくることにした。
ネイルが好きな二人だけど、
私はセルフ、彼女はジェルネイル。
米を研いでもびくともしない、
彼女のキラキラした爪を眺める。
クレンジングだけは一緒に使うけど
スキンケア類は違う、私達の棚。
入浴剤を入れるときは、入れた人が
風呂掃除をしましょう、という
ルールでぴかぴかを保っている。
(お互い入浴剤が好きなのだ)
寝室には余計なものは置かない、
というのは私が決めたルールだ。
パジャマと手足に塗るクリーム、
それとぬいぐるみぐらい。
夜眠る前に彼女は本を読むけど、
私は読まない。同じ人間の女だけど
生活の態度が違うのが面白い。
生活の態度が違うといえば、下着の
洗濯の仕方もだいぶ違うのだった。
二人で互いの雑さを指摘しながら、
わいわい洗濯物を干す瞬間が
意外と好きなのだった。
そういえば、靴をはくときに椅子が
あったほうがいい、と言ったのも
彼女だった。(そして便利だった)
靴はお互いに靴箱に入るだけ、と
決めたのに、リビングに一部を
置いてあるのを許し合っている。
違う職場に向かう二人。夜ご飯は
時間があえば一緒に食べよう、
遅くなるときはLINEね、と笑う。
でもさ、帰ってきてリビングから
彼女の気配がすると嬉しいんだよ。
あのちゃぶ台で背中を丸める彼女が
振り向いて「おかえり」と笑う。
シートマスクが張り付いているのを
見て、私も「ただいま」と笑って、
二人暮らしの夜が更けていく。
やめようと言っていたのに。
畳にはちゃぶ台でしょ、と彼女が
年季の入ったそれを畳に置いたら、
部屋の空気が急に心地よくなった。
別に個室はなくてもいいかな、と
私も彼女も同じ意見だった。
放っておけばどこにでも一人で行く
二人だから、集まる場所を作ろうと
彼女が言うのだった。
料理をしてる間も話せるように、と
対面式のキッチンにしたのは彼女の
強い強い要望だった。
お揃いのエプロンいいじゃん、と
笑いながらつけて、二人で色々な
料理をつくることにした。
ネイルが好きな二人だけど、
私はセルフ、彼女はジェルネイル。
米を研いでもびくともしない、
彼女のキラキラした爪を眺める。
クレンジングだけは一緒に使うけど
スキンケア類は違う、私達の棚。
入浴剤を入れるときは、入れた人が
風呂掃除をしましょう、という
ルールでぴかぴかを保っている。
(お互い入浴剤が好きなのだ)
寝室には余計なものは置かない、
というのは私が決めたルールだ。
パジャマと手足に塗るクリーム、
それとぬいぐるみぐらい。
夜眠る前に彼女は本を読むけど、
私は読まない。同じ人間の女だけど
生活の態度が違うのが面白い。
生活の態度が違うといえば、下着の
洗濯の仕方もだいぶ違うのだった。
二人で互いの雑さを指摘しながら、
わいわい洗濯物を干す瞬間が
意外と好きなのだった。
そういえば、靴をはくときに椅子が
あったほうがいい、と言ったのも
彼女だった。(そして便利だった)
靴はお互いに靴箱に入るだけ、と
決めたのに、リビングに一部を
置いてあるのを許し合っている。
違う職場に向かう二人。夜ご飯は
時間があえば一緒に食べよう、
遅くなるときはLINEね、と笑う。
でもさ、帰ってきてリビングから
彼女の気配がすると嬉しいんだよ。
あのちゃぶ台で背中を丸める彼女が
振り向いて「おかえり」と笑う。
シートマスクが張り付いているのを
見て、私も「ただいま」と笑って、
二人暮らしの夜が更けていく。