定位置、決まりましたね。
白いタイルがかわいいカウンターのあそこ。
自分だけの城みたいに作り上げていくんだ。

ひとりでも対面式がいいんだ。
誰と話すわけでなくとも、
流れるようにお料理するんだ。
ガラスの油避けもしゃれてるでしょ。

ただの一段、されどとっておきの一段。
一歩上がるだけで気分も高まる。
木目調の壁も優しくしてくれる。

バルコニーがぐるりと囲むワンルーム。
そうそう。こんなひとり暮らしを
いつかは送ってみたかったのだ。

最上階の角部屋というのもいい。
キッチンの構築に飽きてきたら
あの角っこに森を作りはじめる。

空につながっているみたいだな。
いけない、暖房でポワポワしてきた。
すこし窓を開けて頭を冷やす。

斜めの線がお気に入り。
朝はやはり東側のバルコニーがいい。
冬こそ街の輪郭が美しい。

玄関入ってすぐに水回りがありますね。

いやいや、これが案外便利なんだって。
香りのいいハンドソープにしたら
手を洗うのがちょっと楽しくなった。

たっぷりの収納にコートをかけて、
隣のトイレにいくでしょう。

カンディンスキーみたいな壁紙も
このお部屋の愛すべきポイントの
ひとつなのです。

ええ、玄関で裸になるわけですが、
なんたって気ままなひとり暮らし。
バスタオルはおってうろうろしちゃう。

くう、外観まで好きなタイプだった。
みんなは渋いだなんて言うけれど、この建物のいちばん上にあの城があるのがロマンなのだ。気がつけば商店街のテーマソングを口ずさんでいる。