天井の間際を通る一本の筋。
梁ではなくて配管なんですね。
それすらかわいいのだからずるい、ずるい。

元はもう少し低かったのでしょうね。
上を向いてリノベ前のことを思い浮かべる。
はあ、賢そうに並んだスポットライトまで。

キッチンスペースは小上がりなんです。
いいぞ、このわたしだけの城感。
ゆるくゾーンを切り替える感じ、好きだ。

そしてちょっと上から見下ろすのである。
誰かと住むなら対面式がいいって
じつは昔から、夢見てた。

15帖のLDKに端から端までのバルコニー。
ドアはないけど、壁の向こうに
ベッドスペースがありますね。

カウンターのように見えていたけど
違うみたい。ここから先は別の世界。

部屋とまでは言わない、
穴のような、隠れ家のような空間。
精神を休めるための濃いグレー。

腰くらいの壁がある生活、ふしぎだ。
横になるとひきこもれるが、体を起こすと
きゅうに現実に戻されてしまうんだ。

けれどもわたしはこの隅っこ感が好きだ。
ぎゅうぎゅうに布団が詰まっているけど
リビングからは見えないくらいがいい。

窓の外には斜めがきついバルコニー。
ほら見て、手すりまできつい。植木を
いくら並べてもこの広さに追いつかないよ。

なんだかかわいい組み合わせです。
水色の壁に、ミニマルな水回り。
窓の下の並んでるのが、かわいいよね。

あら残念、このお部屋では
湯船に浸かれないのですね。
そんなわが家の冬のお供は湯たんぽ。

なんでもいいから飾りたくなる棚だ。
昔のままのスイッチもいいし。
玄関先までかわいさがにじみ出てる。

都会のふたりに良いバランス感。
出張のあとでもすぐに帰ってこれるのが
なにげにうれしかったりして。