なんでもない日々が繰り返されて
人生になるのだったら、こういう、
明るい部屋がいいな。

ここに引っ越してきてから、何が
明確に変わったかといえば、窓辺に
座り込む癖がついたことだ。

晴れた日にはぱきっとした明るさ、
曇った日にはにぶい明るさ。

日によってちがう光量の窓辺には、
飽きさせない魔力があった。

バルコニーにも椅子を置いて、
本でも読んでみようと思う。
日なたの暖かさが外気の寒さを、
打ち消すぎりぎりの季節のうちに。

体が冷えたら、部屋に戻って
あたたかいミルクティーを飲む。

二口あるから、一つでお湯を、
一つで牛乳をあたためる。

キッチンの雰囲気に合わせて、
外見で洗剤を選んでみたくなる。

実家で使っていたような、
アクリルのどうでもいい歯ブラシを
使う気になれない洗面台。

掃除用具もきちんと揃えたくなる。

部屋の奥にも窓がある。

白い寝具に包まれて、こんな光が
落ちてきたらそれだけで贅沢だ。

オープンクローゼットには、
厳選された服が入っているといい。
とてもとても選びきれなくて、
服が収納からはみ出していても、
それはそれで味になるけど。

でもやっぱり、あの窓辺。
腰掛けてぼんやりするのが、いい。
日光浴、いくらでもしようよ。