いつもは日中をこちらで過ごし、
廊下を通って寝室へ行くんだけど。

週末、互いの予定が合えば、金曜の
夜から二人暮らしになる。

いつも一人分の料理を作っている
キッチンも、心なしか嬉しそう。

私は魚焼きグリルなんて使わない、
でも彼女はここを使うもんね。

私なんかは、それを座って、
ぼんやり見守っている。

今日の夜は明太子パスタだよ。
「西洋骨董洋菓子店」にならって、
きゅうりとトマトの和え物も。
換気のために窓をあけて、
二人で向かい合って食べる。

もう長い仲になったから、互いの
すっぴんだって見慣れている。

とうとうお風呂に、私が使わない
シャンプーとリンスのボトルが
置かれ始めた。

洗濯物は明日の朝干そうよ。

私のパジャマを二人で着る。

付き合いそうな二人なら、
いいムードを演出してくれそう。
あいにく、私達はただの仲良し。

寒い日は窓を開けたくない私と、
換気のために開けようという彼女。

下着ぐらいはここに置かせてよ、
持ってくるの面倒だよ。
そう話す彼女に、気づけば、
一緒に住もうよと声をかけていた。

じゃあ、週末だけ来ているのを、
少しずつ増やしてみようかな。
たとえば木曜日からくるとか。

近くの図書館で貸出カードを
作りながら、彼女が笑った。