
屋上、一人分、ください。
晴れ晴れとした気持ちになる。

一人分、椅子を置いておいて、
一息つくのが日課になりました。

向こうの電波塔を眺めているうち、
風が冷たくなって、夕方になって。

そろそろお部屋に戻りましょう。

秋の気配が屋上にも来ていたよ。
夏とは違う天窓からの光を思う。

秋の夜更けには、ホットワインか、
唐辛子を入れたココアがいいんだ。
早めに風呂に入ったら、また屋上で
温かいものを飲もうかな。

そうと決まれば、善は急げ。
もうお風呂に入っちゃおう。

いたるところに窓があると、
時間の流れに敏感になれていい。

明るいからと、電気を点けずに
湯船に入っていると、いつの間にか
薄暗くなっていることがある。

裸足でぺたぺた歩き回るために、
無垢床を週に一度は拭いてやる。
風呂上がりの足がそこに触れる。

こういうところにベッドを置いて、
パズルゲームの名人になった気分。

いざ再び、天窓の向こうへ。

日が落ちたあと、まだうっすらと
温かいのが嬉しいんだ。

部屋まで階段をたくさん登って、
さらに天窓の向こうへ登り続ける。
すごく上昇志向な間取り図です。
これからの人生、屋上がないって、
ちょっと考えられなくなってきた。