音まで白くなりそうなお部屋。
いや、本当は天井も床も、
白色ではないのですけど。

コンクリート打ちっ放しで
そのコンクリートの風合いも、
窓から入ってくる光の加減も、
どこかしら白をイメージとして連れてくる。

鏡がいくつも張られた
横長に陣取ったシンプルな洗面台や

それをコピペしてから
必要部分を書き足したかのような台所。

このあたりはもう
とっぷり白インクに浸したように白。
お付き合いしてトイレだって白。

玄関も潔く主張しない白。

玄関横の収納はその中までも白。

でも部屋にはやはり色があって

それでも私はここを白い部屋だと思う。
うん、部屋の外のベランダさえも。

きっとこの部屋から感じる白のイメージは
白が孕む多くのイメージとダブって見ることができるからこそのものだろう。

白。

ポジティブにもネガティブにも染まらない白。

そんなお部屋。

ここで毎朝食べるトーストが
ちゃんとこんがり焼きあがっていても
食べる人のシャツに思わず白の何かを求めたり、
ここで迎える夜、
寝間着か寝具に白のあれこれ探したり。
きっとする。


外観は内観ほどの白を感じず、

景色と調和をはかっている。

それでもそのデザインには

その姿勢、その潔癖性、
または気高い清廉性のような
強さにも似た何かを感じる。

その何かとさえ
白が被って思い出されるのは
自堕落な私にはちょっと眩すぎる
この部屋へ対しての
少しの後ろめたさからなのかもしれない。