コーヒースタンド「我が家」へようこそ。
この物件は現在は募集終了している可能性が高いです。過去物件のアーカイブとしてお楽しみ下さい。
水色タイル、カウンター、窓、ベランダの柵。連なる平行線。 お隣さんちのレトロポップなカラーも相まって、この景色、一枚の絵みたい。
そんな我家のカウンター、長いんです。 ね、玄関から部屋の隅まで続くカウンター。 背もたれのない、足が床に届かない椅子なんか買っちゃって、私だけのコーヒースタンドにしちゃおうかな。 メニューは全部私の好きなもの。 甘めのカフェオレ、酸味の少ないコーヒー、実家から送られてきた自家製の梅酒。 あと、お風呂上がりの牛乳。 一人暮らしにはこのくらいのサイズのキッチンで十分。
歩いていける谷中銀座でメンチカツとか佃煮とか、なんだか実家を思い出すお惣菜を揃えれば、私の胃も喜ぶ。 夕飯食べたら、棚の向こうのベッドにすぐダイブ。こうやって低い棚で空間を区切ると、部屋が狭く見えないんだね。ふむふむ。 うつらうつら、寝落ち仕掛けたけど…シャワー浴びなきゃ。鏡、おしゃれでしょう。 脱衣場が無いんだけど、一人暮らし気ままなワンルームだもん。体を拭いたらそのままコーヒースタンド「我が家」へGO。 冷たい牛乳が待ってる。 このタイルがお気に入り。 ちゃんと考えて選んだ色だと思う。 そんな部屋は愛でたくなる。 今日もはやくおうちに帰りたい。 そんな部屋と出会えてラッキーだ。
文・戸田江美
1991年生まれ。デザイナー。おばあちゃんの仕事を継いで荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。@530e