ここにひょいっと腰掛けてる、
自分の姿をちょっと想像してみる。

腰掛けって呼んでいいのかな。
それとも台？ベンチ？キッチンで、
料理をする自分の後ろ姿には
エプロンがきゅっと結ばれている。

このあたりをせわしなく動いては、
疲れて一休み、どっこいしょ、と
棚の前のスペースに腰掛ける。

この窓辺、いつでも休んでいいよ、
そう言ってくれてるんだ。

キッチンの反対側はクローゼット。

ぱかっと開いたら大容量。
天気のいい日とか、こうして棚を
開け放っておいて風を通したい。

そこにベッドを置くのかな。

キッチンと寝室を区切るのは障子。
ガラス戸とか引き戸にはない、
光がぼんやり透ける境界線。

区切っても、この腰掛けがあるから
完璧には空間が分かれない。
そのおちゃめなところが、いい。

ましかくのなかに全部収まってる、
居心地のいい間取り図の中に住む。

窓の向こうに緑が増えたら、
初夏だなあ、って思うのかな。

家の外にもあの窓辺が、
あればいいのにね。
世界中に腰掛け。
よっこいしょ、と一休みしたい。