そこに音楽が流れていなくとも、
トントンと玉ねぎを刻む音だけで
気分がどんどん弾んでくる。
これは木の温かさのおかげなのかな。

チキンのトマト煮込みなんか作ろうかな。
プレートにごはんといっしょに盛り付ける。
自慢のカウンターに、
ラタン編みのランチョンマットを敷いて。

眩しい光で照らすんじゃなくて
ちいさなペンダントライトが
ちょこちょこと並んでるのがいい。
暗くない、くらいでいいのだ。

毎日の料理が楽しくなってきたのは
環境が整っているからなのかな。
今まで煮込み料理なんて作らなかったのに。

曇りガラスからは、
そわそわし始める気配を感じる。
お昼ごはんの匂い、気になった？

待ちきれずに覗きにやって来た。
じゃあお皿でも並べてもらおうかな。

作業部屋をリビングの隣にしたのは
いいアイデアだったな。
ふだんは閉めておくけど、
こうやって覗きに来てくれるし。

個室が二つあるからこそ、
独立した作業部屋を持てたんだよね。

今は低めのベッドを置いているけれど、
家族が増えたら、
布団を敷くようになるのかな。
まだわかんないや。

蛇口のハンドルも、タオルかけもかわいい。
ちょっと手を洗う瞬間まで
嬉しくなっちゃう魔法だな。

真っ白なお風呂と

トイレはまあ、普通だけどね。

ゆっくりとお昼ごはんを済ませたところで
そろそろ出かけようかな。

駅までは遠いけれど、
すこし考え事をしながら歩くのが
わたしの大事な時間。

夕飯のメニューを考えながら
ずんずん坂を下りてゆこう。