東東京の古民家。火鉢を囲んで、夜が更ける。
この物件は現在は募集終了している可能性が高いです。過去物件のアーカイブとしてお楽しみ下さい。
築65年の一軒家。築年数の経った物件て、いい歳の重ね方をする人と同じく、懐が深いように感じます。 玄関からクラッとくる渋い佇まい。 土間と引き戸、そして足元の靴箱! さらにチラッと見える火鉢!
町の御隠居さんが「よく来たね、おあがんないさいよ」って奥から出てくるシチュエーション。たまらない。 玄関から上がった途端に、この居心地のいい空気感。火鉢をテーブル代わりに使っているとこも、こなれ感が出てる。 漫画揃えて、ゲーム持ってきて。 鍋を囲みながら友達と学生時代みたいに遊びたい。
尽きないお喋りをしていたら、夜はとっぷりと辺りを闇で包んでいる。 終電逃してみんなでお泊り。 そんな日が過ごせそう。 あとこの、右側に見えてる、玄関脇の格子の細工。竹に雀というなんとも粋な柄なんです。好きです。大好きです。
フローリングだって本物の木材だし、柱だって天井だって、何年もこの場を支えてきた熟練たち。
そんな熟練と暮らせるなんて、好い心持ちになる。 昔ながらの急勾配な階段。 年季が入って所々つるつるになった手すりが愛しい。 踊り場がまた良い「和」! この姿を残してくれて本当にありがとうございます。 7.5帖は仕切りが取り払われています。空間の自由性がある和室のいいところ。ガラスの引き戸がまたかわいいなあ〜。 私の好きな時代劇を思わせる部屋。出窓から珍しく東京に降った雪を眺めつつ、軍鶏鍋つつきたくなる。 奥行きのある収納がたっくさん。 一箇所は机にしても良いかも。
そうそう、この物件、DIYの相談が貸主さんにできるんです。 懐が深い。 あ、あとね、ペットも2匹以上OKなの。押入れをペットのお部屋にするのも楽しいかも。
この収納スペース、なんだかアパートの断面図にも見えてきた。どのお部屋にうちの子住まわせよう。 バルコニーがもう、たまらないレトロさ!物干し竿がカラフルで昭和臭ぷんぷん!
縁側っぽくしてくれてるのもいいよね〜。お昼寝したい!かき氷作りたい!読書したい! さらにユニークなポイント。
喫煙所。
やや暗いこのスペース、書生さんが煙草吸いながら物思いにふけってる様子が妄想できちゃうんですけど。 古いおうちで一番気になる水回り。 安心してください。リノベしてあります。ルームシェアの相談もできるそう。皆で一緒に料理できそうな広いキッチンがあります。 洗面台もきれいにお直しされて、 お風呂だって追い焚き付き! トイレにはウォシュレット。 実家感すごい。 一階には仏間もある、戦火を逃れて下町の住宅街に残った古民家。 南千住は北千住や浅草に出やすいけど静かで、隅田川沿いの東東京情緒を堪能できるエリアだと思います。
火鉢を囲んで、 今夜も語り明かそう。
文・戸田江美
1991年生まれ。デザイナー。おばあちゃんの仕事を継いで荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。@530e