いい家、というものを正座で鑑賞。
ケヤキの木を抱えるように建つ家。

こんな風に、２階のリビングから
ホール越しに正面の樹木をのぞむ。
この室内風景だけで、すばらしい。

ああ、なんて贅沢な眺めなんだ…。
シンボルツリーを丁寧に扱う設計。

主張しすぎないアプローチ。
まるで小径を抜けるような。
外壁からレンガが続いていきます。

こうして見ると大木ですね。
じつは築36年の時間を経て、
新たにリノベーションされました。

ご覧の通り、地下のある３階建で、
さらにスキップフロアでつながる
迷い込むような間取り。迷いたい。

玄関ホールからもう始まっている。
静かな印象でも表情が豊かですね。
スチールなど様々な素材が集まる。

えーっと…。どこだろう、ここは？
家の中にこんなキリコの絵みたいな
空間があっていいのでしょうか…？

ああ、おもしろい絵になっている。
２階のサービスルームでしょうか。
納戸もいいけど隠れんぼがしたい。

なるほど、上がるとこんな風。
ちょっとした書斎みたいな風情。
ここにもベンチが配されている。

こんなかわいい、休憩所みたいな
空間がとってあるのがまた憎い…。
あ、ここにいたんだ、みたいな。

あっちでお父さんがお仕事中…。
スキップフロアで生まれる関係性。
いい家ってそこまでデザインする。

このリビング、広くて柔らかくて。
きもちよすぎますね。26.5帖か…。
ああ、テラスが見えていますね。

いいなあ。ここにルーバーですか。
そして、ここにもベンチが置ける。
室内と室外のニュアンスも豊かだ。

たとえばここなんて、洋室の手前に
また一つ、デスクとベンチがあって
小径のような、ここも居室のような

居場所がたくさん見つかりそうな、
そんな余白があるんだと思います。

１階のホール近くにある、
もう一つの大空間もきもちがいい。
もう一つのリビングであり、
仕事場として使ってもいいし、
二世帯で住まうこともできそう。

いい家は、広い家だという、
シンプルなファクトがここにある。
理屈は抜きにして…。

だってほら、広いって快適だもの。
広い場所でくつろぎたい気持ちと、
自分だけのすき間に隠れたいのと、

僕たちって贅沢で複雑なんですね。
そんなこと、つい考えてしまった。

ハイサイドサッシからの木漏れ日。
人生についてこの洋室で考えよう。
適度に考えたら、昼寝しましょう。

お風呂もひっそり隠れるように…。
でもやっぱり、とても広いですよ。
洗い場に寝転べちゃいますね。

ときどきこういう家を鑑賞して、
美しいものを見る目を養いたい…。
そう思った物件ファンなのでした。