白いシャツ、真っ青なデニム。
赤い口紅をキュッと引いた彼女。
「フランス人は服が××着」
みたいな話はよく聞くけど、
こういう部屋に住む人もそんな感じ。

ミニマリスト、って括りじゃイヤ。
シンプルな暮らしってやつなのかな。
身軽さが心情だけど、
トイレとお風呂は別がいい。
そこは、譲れない。

ワンルームの広くない部屋の
どこに居てもシャンデリアが見える。
視界の端がぱっと華やぐのがいいな。

簡素なベッドに真っ白なシーツ。
机はキッチンのカウンターでいいから
あとの荷物はクローゼットぐらい。

このカウンターがお気に入り。
買ってきた惣菜と安いワインで一杯、
そんなもんで良いんだ、毎日。

この小さいシンクに生ゴミとか
溜めておくわけにもいかないから、
毎日毎日簡単なものを食べる。

このカウンターから見た部屋は、
すごく簡素だ。眺めはいいけど。

でも壁だってちょっと凝ってるし、
ハンガーを掛ける所もある。
手を伸ばせばすぐに届く小ささも、
きっと今の私に合っている。

お風呂は二点ユニットだけど、
気が向いたら手を伸ばして
歯ブラシを取って、長風呂しながら
歯磨きもしちゃうもんね。
狭さの気楽さみたいなものが、ある。

鏡はトイレの横、洗濯機の辺り。
キッチンのタイルといい、ここといい
ちょっとした装飾が可愛いんだよね。
嫌味がない。

木陰が落ちてくる外観は、
実家では味わえないから新鮮だ。
駅まで徒歩5分ってちょうどいい。
何もかも、ちょっとずつ小さいのも、
「足るを知る」って感じなんだ。