どうしてお風呂を覗ける窓があるの？
最初に内覧へ行ったときは、
本当に素直にそう思ったのだけど。
慣れてしまえば、これが良いな、と
思えてくるから不思議だ。

広くはないが狭くもない1Kの部屋で
私は新生活をスタートする。
色々気に入っているけど、
トイレが玄関側にあること、
きちんと脱衣所があること。
なにより、さっきの覗き窓が、
かなり重要になった。

キッチンから繋がる廊下は、
つるんとしたタイル。
冬場はもこもこのスリッパ必須だ。

小さいけど二口ガスコンロ。
ここのドアを閉められるから、
たとえば油をたくさん使って炒め物、
みたいな日でも部屋がべたつかない。

収納は心もとないから、
リビングにちょっと買い足したけど。

この洗面台が私のドレッサー。
こぢんまりした感じが可愛いんだ。

それで、このお風呂。
お風呂が決め手になったと言っても、
あんまり過言じゃないかもしれない。
向こうに見えているのはリビング。
ロールスクリーンを下げれば、
ちゃんと見えなくすることが出来る。

最初はこの窓がよく分からなかった。
明るい内から風呂に入るときに、
陽が沈んでいくときの光の様子が
感じられるのが面白くなって、
最近はまた別の用途が増えた。
そう、かわいい同居人の様子を、
こちら側から見守ることが出来る。

私のベッドの上で丸くなっていたり
床で伸びていたり。
かと思えば、風呂の中にいる
私の視線に気づいたのか、こちらを
見てみたり。
猫は見ていて飽きないんだな、と
長風呂になってしまう。

そうそう、窓の向こうのこの柵も、
なんだか可愛らしくていいな、って
思ったポイントだった。

家の目の前に眼鏡屋さんがあるのも、
ちょっとおもしろくていいかなって。

まさか猫を飼うとはなあ。
あの風呂の窓から、何か動くものが
見えたら面白いな、って思ったことと
ペット可だったことを思い出して、
いまの暮らしに行き着いたんだ。