木のヘリンボーンの美しい流れが
ブリックのヘリンボーンと交わる。

ヘリンボーン好きにはたまらない、
サンクチュアリがここにある。
思ったのは、この模様を見るだけで
どこか温かみをおぼえる。

ホワイトシチューの似合いそうな、
ろうそくの灯った食卓が浮かぶ…。
この模様はそういうところがある。

だから、ヘリンボーンの聖地へ
引っ越すなら、冬がいいと思う。
こうして間取り図を見ると、
エントランスを広くとってあり、

パイプの洋服掛けがあるから、
ヘリンボーンの冬には、ここに
コートがずらりと並ぶだろう。

ヘリンボーンの流れに乗って、
お客がニシンのようにやってくる。
小さくても自慢の内装である。

トイレって、書いてあるからね。

小ぢんまりとしてかわいいと思う。
緑色のギャッベでも敷いておこう。
どこかクリスマスを連想させる…。

それで、赤い足拭き用のタオルも
取り替えておく…。厚手のものを。
そんな感じでいいだろう。

ヘリンボーンの夜だから、
ここで皆、ニシンのパイをつまむ。
昔の映画にでてきたでしょう？

それぞれに持ち寄った酒で乾杯し、
ひとしきりはしゃぎ終わったら、
込み入った恋の話がはじまる…。

そんな夜が浮かんでくる。