
イメージのなかのブルックリンに住まう彼女の話。
こちらは過去の物件です。アーカイブとしてお楽しみ下さい。
私はブルックリンに行ったことがないんですが、こういう内装のお店には行ったことがあります。その名もブルックリンパーラー。レンガと背の高いテーブル、本棚が素敵なお店。
このお部屋もブルックリンパーラーも、きっと「みんなが考えるブルックリン」なのでしょう。

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一人で過ごすのにちょうどいいサイズ感だと思います。
湯船はないけど、ブルックリンのひとはきっと湯船なんて入らないのでしょう。
これはその、イメージの中のブルックリンに住む彼女の話。

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ただいま、と小さく口に出してみる。一人の部屋に反響する。
玄関先のクローゼットには、秋口になったら着ようと思って奮発して買ったトレンチコート。早く秋にならないかな、と彼女は考えている。

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たまに寝ぼけてクローゼットのお向かいのドアを開けてしまって、部屋に苦情を言われている気分になる。まあ、部屋の方だって電気温水器をわざわざ見せびらかしたくないに決まっている。

goodroom
いまは夏だから、家に帰ってきてすぐに下着一枚になれて嬉しい。
今日着てた服も靴下も、帰ってきた瞬間洗濯機に入れてしまおう。それで、ついでにシャワーに入ってしまえば今日のタスクが半分完了した気分になるだろう。

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奥からシャワールームがこちらを見つめている。
一人暮らしをしてから初めて、自分がものを擬人化して見る頻度の高さに気がついた。だからシャワールームが実際には自分を見ているわけではなくてそこに佇んでいるだけだとしても、彼女の中では「シャワールームが早く入ってほしそうにこちらを見つめている」になるのだった。

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実家でも夏場はシャワーだったから平気。
冬はちょっとつらいけど、そこは我慢。湯船に入りたくなれば、それは実家に帰りたいとか、休みたいとか、そういうサインなのだ。

goodroom
適当な部屋着のワンピースに着替えたら洗濯機を回して、ふう、一息。
北向きの窓も「お疲れ様」と自分をねぎらっているように見える。

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得意料理はパスタだ。塩加減が絶妙に上手なのだと、彼女の友達は熱を込めて話す。

goodroom
部屋を選ぶ時の決定打はいくつかあった。家賃や場所の現実的な問題をクリアしてしまえば、あとはその部屋の雰囲気だけだった。
彼女には、その時レンガがとても魅力的に見えた。住んでみてもその魅力は変わらず、年々心が通ってきているような気がしている。

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コンパクトすぎるかと心配したキッチンにもすぐに慣れた。

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この凹んだ窓辺に、最初は観葉植物を、次はラグを敷いてみせ、最終的には何も敷かずに椅子だけ置くことに決めた。しかし椅子はとびきりお気に入りのものを。
そして、その椅子に座って本を読む瞬間が彼女の小確幸になりつつあった。

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洗濯機が「さっき洗濯しておいてよかったね」とピーピー鳴り響く。
シャワーに入る前にセットしておいたから、もうベランダに出て干せる。ベランダもにこやかにその選択を祝福しているようだった。

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問屋街だとばかり思っていたこの場所には、マンションも多いのだった。

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どうあがいても今日で長い長い夏休みが終わり、月曜日からは仕事が始まる。
ホットミルクに、贅沢して買ったメープルシロップでも入れよう。
彼女は小さく決意する。
このお部屋もブルックリンパーラーも、きっと「みんなが考えるブルックリン」なのでしょう。

一人で過ごすのにちょうどいいサイズ感だと思います。
湯船はないけど、ブルックリンのひとはきっと湯船なんて入らないのでしょう。
これはその、イメージの中のブルックリンに住む彼女の話。

ただいま、と小さく口に出してみる。一人の部屋に反響する。
玄関先のクローゼットには、秋口になったら着ようと思って奮発して買ったトレンチコート。早く秋にならないかな、と彼女は考えている。

たまに寝ぼけてクローゼットのお向かいのドアを開けてしまって、部屋に苦情を言われている気分になる。まあ、部屋の方だって電気温水器をわざわざ見せびらかしたくないに決まっている。

いまは夏だから、家に帰ってきてすぐに下着一枚になれて嬉しい。
今日着てた服も靴下も、帰ってきた瞬間洗濯機に入れてしまおう。それで、ついでにシャワーに入ってしまえば今日のタスクが半分完了した気分になるだろう。

奥からシャワールームがこちらを見つめている。
一人暮らしをしてから初めて、自分がものを擬人化して見る頻度の高さに気がついた。だからシャワールームが実際には自分を見ているわけではなくてそこに佇んでいるだけだとしても、彼女の中では「シャワールームが早く入ってほしそうにこちらを見つめている」になるのだった。

実家でも夏場はシャワーだったから平気。
冬はちょっとつらいけど、そこは我慢。湯船に入りたくなれば、それは実家に帰りたいとか、休みたいとか、そういうサインなのだ。

適当な部屋着のワンピースに着替えたら洗濯機を回して、ふう、一息。
北向きの窓も「お疲れ様」と自分をねぎらっているように見える。

得意料理はパスタだ。塩加減が絶妙に上手なのだと、彼女の友達は熱を込めて話す。

部屋を選ぶ時の決定打はいくつかあった。家賃や場所の現実的な問題をクリアしてしまえば、あとはその部屋の雰囲気だけだった。
彼女には、その時レンガがとても魅力的に見えた。住んでみてもその魅力は変わらず、年々心が通ってきているような気がしている。

コンパクトすぎるかと心配したキッチンにもすぐに慣れた。

この凹んだ窓辺に、最初は観葉植物を、次はラグを敷いてみせ、最終的には何も敷かずに椅子だけ置くことに決めた。しかし椅子はとびきりお気に入りのものを。
そして、その椅子に座って本を読む瞬間が彼女の小確幸になりつつあった。

洗濯機が「さっき洗濯しておいてよかったね」とピーピー鳴り響く。
シャワーに入る前にセットしておいたから、もうベランダに出て干せる。ベランダもにこやかにその選択を祝福しているようだった。

問屋街だとばかり思っていたこの場所には、マンションも多いのだった。

どうあがいても今日で長い長い夏休みが終わり、月曜日からは仕事が始まる。
ホットミルクに、贅沢して買ったメープルシロップでも入れよう。
彼女は小さく決意する。

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