これはきっと夢だ。家の前の白い花も、やさしいグレーのカーテンも、全部が幻で。きっと、小窓から入る光でお部屋の中が満ちる頃、まぶしさで目が覚めるんだ。

このまま歩みを進めていいものか、ちょっと入るのをためらうくらい、白くてきれいなお家。

中はしーんと静まっている。そっと、1階の扉を開けてみる。

カーテン3姉妹。小さな小窓それぞれに寄り添って。

大きな収納が2つもある。けど空っぽ。

無垢の梁は、真っ白な空間に浮かんでいるように見える。全然違う場所につながっているみたい。

不意に自分の顔が写ってびっくりする、鏡か…。

妙に現実感があるところもまた、夢なんでしょう。

1滴も水が垂れていない湯船。足元は少し冷んやりする。

風が顔に当たって、見上げると窓があった。ちょっと外を覗いて、そのまま上に上がる。

また正方形の窓だ。3つ並んでる。

梁がすーっと上に上がっていて、どこに行くのだろう。

あ、キッチン。それと、その上は…窓があるみたいだ。上がれるのかな。

上がれた。窓から入る空気が、下に降り切れずにぐるりとここを回っている。嘘みたいに心地よくて、目を閉じてしまう。これは、夢なのに…。

…あれ。お庭？

さっき、あのお家の中にいたような気がしたんだけれど。やっぱり夢だったのかな。それとも白昼夢？