このくらいの京町家、いくらくらいするのかな、と思ってたんですよね、ちょうど。やっぱり二千万円はするのかな、とか。

思ってたのであります。

はあ、このサイズ感。そして、一軒一軒、あたたかい筆致で間取り図を描き起こしてくれる、この雰囲気。ありがたや。

上京区なんですが、二条城からちょっと上がったところ。「日暮通丸太町上る」とのことで、まず街中と言っていいですね。

物件の位置は、平安京の内裏、天皇のお住まいの南東にあった「西雅院」の跡地であろう…と、ドキドキさせてくれます。

『源氏物語』の冒頭部分の舞台。

なんてことを感じながら、この土間です。「経年美」が全開ですよ。もうこのままでいいと、私なんかは思うのであります。

この導線、キッチンの背中がきゅうくつなのも、愉しみたいですけどね。ピンクのタイルは無論、そのまま生かしたいな。

じつはこちら、未改装の物件なのですが、予算1,200万円〜のリノベーションプランが参考としてふたつ、紹介されています。

二人暮らしで仕事場も兼ねるようなプランと、子供部屋のある、親子三人暮らし。

率直に言って、この絵を見てるだけで最高であります。ごはん何杯でもいける…。

でも、未改装のままでも手に入れられる、というのがいいじゃないですか。

残しておいてくれる、というのが。好きに決められる、というのがよくて。

〈こんなかわいい建具、取り替えてどうするんだ！〉なんてことにならないよう。

まずはこのまま、愛でて回りたい。
ここは一階の洋室でしょうか。

同じく一階の続き間の和室ですね。
こういう空間でガヤガヤしたいな。

この、一間の二階がたまらないですね。

もう、侘び寂びとか、古いのがいいとかじゃなくて。これがいい。これが好き。

ざらっとした感じ。

八月の暑い日に窓を開け放って、古本屋で百円で買ってきた文学全集を読みたい。

それも、自分の買った京町家で。

そんな夢もありつつ…

さっさとリノベーションしないと、お風呂がない、という事実もありつつ…（笑）

銭湯通いしながらローン払ってる、というのも恰好よくないですか。だめ？