シンプルであればあるだけ、美しさと凡庸の差は如実に出て来る。
このお部屋は、美しい。

これだけのシンプルさで、美しく、しかし部屋だけを見ると
ひょっと少し物足りないかもと感じるほどのデザインは、
きっと経験に裏打ちされた自信のなせるわざなんだろうと。

引き算のデザイン。

そう言うのは簡単、
ただ価値を足さなければならないのがリノベーション。

単純に引いてばかりだとは思っていないけれども、
それでも容易ではないだろうなぁと。


窓の外の木目のルーバー、

この大きく開いた窓、
それと窓の手前、一段ある段が
この部屋を更に大きく見せているだろうし、
レールランプも少しでも圧迫感にならないよう
梁の横をはわす気遣い。

そして、何か少し物足りない感じがするそここそが、
きっと住人という存在が埋める場所。
人が住んでこそ、完成するデザイン。

より広く、異質さを感じる最適解としてのバランスなんでしょう。



こんな部屋が中野と新井薬師の間に有るとは？！

それこそ、デザインは全く違うのですが、
映画、攻殻機動隊に出て来るセーフハウスという概念があって、
言うなれば現代のセーフハウスは
こういう感じなんじゃないかなと。

どこかエアポケットのような…、外とつながってるけど、
特別なまでに異世界ではないけれど、少しだけ異質な空間。


お風呂場もそう。

この少し過剰なまでに攻めている爽やかな白いタイル！
面白いですよね。
天井の梁や換気扇の周囲までも、白タイル。
きっと敢えての違和感づくり、異空間づくりなのかなと。

だからこそ落ち着く。

一人になれる空間。

きっとお友達を呼んだとしても、料理をワイワイ作って
大人数で賑やかに過ごすという感じではないでしょうから、
キッチンは十二分。

建物はシンプルな感じで好印象。

ちょっと住宅を贅沢に仕上げて行く事を
明確に趣味にしていくなら、このお部屋は本当に良いと思います。

インドアも存分に楽しめる方、是非いかがでしょうか？！