「通り土間」とは京都の長屋などに 見られる、土足のままで通り抜けられる 廊下のようなの空間のこと。 今回はそんな通り土間と、 そのほかのチャームポイントも満載な リノベマンションのご紹介です。

玄関を入るとすぐ左手に壁一面の オープン収納が。 外出用の靴のほかに、スリッパや 通り土間用のルームシューズなどなど、 これだけあれば靴の収納には 困らなさそうですね。

玄関脇のこちらはワークスペース。 適度なおこもり感があるので お仕事や趣味に集中できそうな 空間ですね。

ワークスペースから通り土間を 進んで行くとこちらのキッチンへ。 玄関からひと続きになっているので 重たい買い物をしたときなんかは 助かりますよね。 つやのあるタイルに マットな質感のワークトップなど、 同系色ではあるもののテクスチャーの 違いでメリハリのある空間と なっています。

そしてそのキッチンを抜けると リビングルームが広がります。 通り土間と同じ大判タイルが ランダムに貼られた空間はまるで 路地の先に広がる広場のよう。

テレビボードも床から浮かせることで 床の表情を強調していますね。 窓から入る光の反射も美しい。

ダイニングエリアには、 カウンターとつながる 造り付けのダイニングテーブルが。 カウンター側とキッチン側とで 床の高さが異なっていますが、 これにより、ひとつのテーブルが 食卓としても調理台としても 活用できるようになっています。 見た目もすっきりとしつつ、 手の込んだご馳走をつくるときや、 何人かでワイワイと お料理をするときにも 大活躍してくれそうな うれしい心遣いですね。

ダイニングの背面の壁にも 木材が使われていたりと素材感も 豊かな空間です。 これだけたくさんの素材が 使われていながら統一感があるのは 色味などを丁寧に検討されているから なのでしょうね。

リビングのお隣には小上がりの個室が。 扉もなく室内窓もついているので、 リビングとのつながりの強い 空間になっています。

床はタイルから一転して やわらかい足触りの青い絨毯貼り。 グレーのアクセントクロスや 間接照明のおかげで落ち着いた印象の お部屋なので寝室にもピッタリですね。

室内窓から見える景色は タイル貼りの床も相まって、 半屋外のような雰囲気も 感じられますね。

水回りもきれいにお色直し されております。 こちらは玄関を上がって すぐのところにある手洗いスペース。 土間のタイルとも似たパターンの モザイクタイルがかわいらしい。

トイレは珍しいブラック。 白い石目調の空間に良く映えます。

お風呂もピカピカで申し分なし。 キッチンを含めた水回りの設備が 黒系で統一されているのも 雰囲気づくりに一役買っているのかも しれませんね。

玄関からキッチンを通り、 リビングまでつながった タイル貼りの土間空間。 そしてフローリング貼りの ダイニングに、絨毯貼りの洋室と 床材の切り替えも特徴的な 1LDKのお部屋です。

たくさんの居場所が通り土間で ひと続きにつながった今回のお部屋。 マンションの中に通り土間が あることで、ちょっと変わった 暮らし方も始められそうですね。

文・佐藤シュン 浜松で設計事務所をやりながら、黒猫と暮らしています。