まさか自分のお店を持つとは
想像したこともない人でも、
理想的な店舗物件に出会ってしまって
「ここでなにかやりたい！」と
一念発起することがあると思うんです。

神戸・元町の路地裏に佇むこの建物が
まさにそんな物件のひとつ。
個性的な建物が並ぶなかでも
ひときわ目を引く味わいのある外観。

アンティーク風の鉄枠を配した扉と
木枠の小窓、それらからもれる橙色の灯りに
引き寄せられて近づくと、

おやおや、屋外水栓まで
タイルが敷き詰められて
かわいらしいじゃありませんか！

エントランスの歪で不規則なタイルも素敵。
外観の時点でノックアウト、すべてが好き。
これは店内を見ずにはいられません。

間口が狭く、奥行きのある2フロアの店舗。
レトロな建具たちが長い年月の経過を
感じさせますが、じつは築年は2004年。
そうとは思えない味わい深さは、
オーナーさんのヴィンテージ愛の
賜物だそうです。

1階は土間仕上げの床、
梁があらわしになった高い天井、
左官仕上げの壁が印象的な空間。

中程に木張りのカウンターと
2階へつづく階段があります。

カウンターのトグルスイッチや

むき出しの鉄管など、
インダストリアルなディテールも
空間の雰囲気に違和感なくマッチ。

その奥にあるレンガ張りの
仕切り壁の向こうには、

シンプルなキッチンが広がります。

シンクはさきほど一目惚れした
屋外水栓と同じテイストのタイル張り。
現況は簡易なキッチンですが、
必要な設備を持ち込めば
喫茶や菓子製造などの業態も可能とのこと。

次は階段を上って2階へ。

2階の床には幅広の足場板が敷かれ、
壁は1階と同様の左官仕上げ。
1階とはまた違った味わいがあります。

表情豊かな左官仕上げの壁に映える
レトロな両開き窓や、

木製サッシに
アイアンの格子をはめた小窓など、
とにかくどの建具もかわいい！

ちなみに木製サッシの小窓は
外から見るとこんな感じ。
ナイスヴィンテージ。

手洗い場はミントグリーンの壁に

クロスハンドルの水栓、

トイレはレトロポップな花柄で、
時代や国境を超えた
異国情緒あふれる空間に仕上がっています。

さて、この夢のような店舗で何をしよう。
カフェや物販、ギャラリーもいいし、
事務所にしてもいいな。
それらを組み合わせるのも楽しそう。

元町駅から徒歩5分の好立地だし、
このすばらしい空間だし。
物件を決めてから業態を考えても
なんとかなるでしょ、なんて、
新年早々そんな目標を掲げるのも
悪くない気がします。