曇りガラスの格子戸と窓、
それらから注ぐやわらかな光。
間口が狭く奥行きのある町家のかたちに沿う
長い玄関土間は、たくさんの来客を
受け止めてくれそうなゆとりある広さ。

かつては、この土間の周囲に
近所の人たちがぐるりと腰かけて
おしゃべりに花を咲かせたんだろうな、
なんて往年の姿を想像してしまいますが、
ご覧のとおり、リノベーションで
新設された設備も。

この町家があるのは、大阪・桃谷。
桃谷は仁徳天皇がしばしば行幸したとされる
旧街道沿いの町で、いまも古い神社や
旧家の風情ある家並みが残ります。

近年、周辺の旧家を再活用する試みが
おこなわれているそうで、本物件もそのひとつ。

空き家だった築99年の旧家が、
古さと新しさを兼ね備えた町家に
生まれ変わりました。

あらためて引き戸を開けてお家へ入ると、
奥行きのある玄関土間が迎えてくれます。
自転車も余裕で置けそうな広さですね。

昔は通りに面したこのスペースで
お客さんと商談したり、
作業をしていたのかもしれませんが、
現代の住まいではリビングにもってこい。
玄関入ったらすぐリビング、
この豪快さがたまりません。

スペースの一角には、味わいのある
建具も残されています。

間口は狭いけれど奥行きのある
空間を進むと、中ほどに
キッチンとダイニングスペースが。

新設された造作キッチンがうれしいな。
2口IH＋1口ラジエントに収納付き、
周囲はタイル張り。
料理がはかどる設備充実の台所が
現代的な住まいの醍醐味ってものです。

そのさらに奥はサニタリースペース。
コンパクトなかわいらしい造作洗面台に、

窓のあるピカピカのバスルーム、

温水洗浄便座のトイレ。
いずれも町家ならではの味わいを
損なわないよう、ていねいに
リノベーションしたことが伝わる仕様。

路地裏にある小庭からは、
お向かいの緑が眺められますよ。

重厚な階段を2階へ上がると、

木のぬくもりあふれる居室が広がります。
この空間も建具がすばらしく、

大容量のクローゼット付き。
1階の玄関脇のスペースを作業場にして、
ここを寝室兼リビングにしても
いいかもしれませんね。

2階からは、旧家がぎゅっと密集した
家並みが望めます。

そして、なんとこの物件、最寄り駅は鶴橋。
そう、行き帰りに鶴橋商店街の中を
通っていくことができるんです。
これは予想外にうれしいボーナス。
お家の中でも外でも、
大阪のディープなところを
心ゆくまで満喫できそうなお部屋です。