飴色の木枠にすりガラスがはまった建具。
つやつや輝く下駄箱。
光をたっぷり取り込んでくれる窓。
玄関をひと目見た瞬間、
いいおうちだなと直感しました。

足元に敷かれたタイルがまたかわいくて。

レトロな趣を楽しむ古民家かと思いきや、
玄関ホールの向こうに広がるのは
開放的な板張りの空間。
ここの主役はキッチン。
4くちコンロに広々した天板を備え、
14帖のLDKと6帖の洋室の中央に
どしんと鎮座する姿は、
セントラルキッチンと呼ぶに
ふさわしい佇まいです。

キッチンカウンターには植木鉢など
破棄される予定だった廃材が
散りばめらているほか、

換気扇は収納箱を再利用したものだそう。
だからでしょうか、和室の設えのままの
天井に取り付けているのに違和感なし。

奥に見える欄間の控えめな模様も
LDKになじんでいますね。

このおうちは、なんと1931年築。
90年以上前に建てられた古民家に
少しずつ補修が繰り返された結果、
現代の暮らしにしっくりくる
いまの4LDKになりました。

こちらは隣の洋室から見たLDKの様子。
桜の床材を使ったフローリングや
キッチンまわりの造作棚など
現代的にアップデートされた箇所がありつつ、

LDKのキッチンの逆側の一端には、
さきほどの欄間に加えて
床の間や縁側といった、かつて
純和風家屋だったであろう頃の名残りが。
和洋の折衷具合いが絶妙なんです。

これまた現代的にアップデートされた
洗面台は左官仕上げ、

お風呂もそのまま使って問題なさそうな
新しめの設備で（エアコンまでついてる）、

トイレはそれなりに年季が入っていますが
よく見ればフロアタイルがキュート。

2階はというと、
味わいある板張りの廊下に沿うように
洋室が1部屋と和室が二間並んでいます。
いちばん手前に見えている
スペード型のガラスがはめられた
素敵な建具はおそらく洋室の扉で、

その洋室がこちら。
予想外にクラシカルなお部屋！
はー、ここで寝起きしたい。

いや、やっぱりこの風情のある
和室でお布団を敷いて寝るのも捨てがたい。

広いほうの和室は立派すぎて、
寝室にするのはもったいないな…。

間取り図にはありませんが、
南国テイストが楽しいベランダも。
さきほど見た廊下の突き当りに
位置していると思われます。

物置と木の隙間からのぞく
外観もいい味出してますね。

場所は兵庫区の山の手、緑が近い熊野町。
山へのアクセスが良い一方、大通りへ出ると
湊川や新開地を経由して神戸駅へ向かう
市バスが多く走り、都市部へのアクセスも良好。
下町情緒が残る町内や、いまも活気あふれる
東山商店街の散策をするのも楽しいそうですよ。

来客を知らせるベルの上品な音が響いたら

「はーい！」とご近所さんたちを
自慢の玄関に迎え入れ、

セントラルキッチンでもてなす。
そんな生活、憧れてしまいます。