ヴィンテージ物件の魅力ってなんでしょう。
立地、デザイン、管理、価格など
いろいろあるようですが、最たるものは
デザイン、もっと言えば歳月を経てもなお
魅力のある「建具」だと思うんです。

たとえばこんな木の建具や、

新築の物件にはちょっと真似のできない
味わいのある無垢材のフローリング、

優美な曲線を描くアールの開口。
家のそこかしこにある素敵な建具を
活用しつつ、痛みが気になる箇所には
ほんのちょっとだけ手を加えて修繕する。
それができれば理想の住まいになるだろうな
と思っていたら、見つけてしまったんです。

場所は神戸市東灘区、御影。
阪急御影駅から徒歩17分の閑静な住宅街に
たたずむ南欧風のテラスハウスの角戸。
白亜の外壁とそれに映える
レンガ敷きのポーチに期待が高まります。

ご覧ください、この立派な木の扉！

もともと素敵だったであろう扉が
経年でさらに魅力を増していて、
これは絶対にこのまま使いたいやつだ。

ポーチからつづくレンガ敷きの玄関、
アーチの明り取り、
ルーバー扉の靴箱もたまりません。
もちろんこのあたりの建具は全部
このまま使用したいところ。

3階建てのテラスハウスは
1階にLDKと庭、
2階に洋室と和室がひと部屋ずつ、
3階にひろびろした納戸がある間取り。
1階から順番に見ていきましょう。

玄関からLDKへ入る扉を開けると、
良い意味で年季の入ったダイニングが。
微妙にデザインの異なる2つの
アールの開口、存在感のある収納、

味のあるパーケットフロア、
そのすべてが良い。

リビングの壁紙とカーペットは
貼り替えたほうがいいかな、
そしたら見違えるだろうなとか思いつつ、
気になるのはその先に見えるお庭ですよ。

リビングの掃き出し窓に近づくと、
お庭どころかパノラマビューが
楽しめるじゃありませんか！

外に出ると、海まで一望できる
すばらしい光景が広がっていました。
お庭にきちんと手入れをして、
テーブルセットを置いて、
白い柵のペンキを塗り直せば
最高のセカンドリビングになりそうです。

次はリビングと逆側のキッチンへ。

ここは壁紙をすべて貼り替えて、
床もちょっと修繕しないといけないな。
でもね、真っ白なキッチンは
そのまま使うの。
キャビネットの取っ手やガラス扉の収納が
抜群にかわいいし、念入りに磨けば
往年の輝きを取り戻してくれるはず。

2階の洋室も、
壁紙とカーペットを貼り替えて。

1階のお庭に負けない眺望付きですよ。

和室も、まあいろいろ手入れが必要そう。
どうせなら畳もふすまも一新して、
ピカピカにしちゃいましょう。
チューリップのようなレトロな照明は
そのまま使いたいですね。

洗面所とバスルームは2階にあります。
ところどころ気になる箇所はあるけれど、
大きな改修は必要なさそう。

トイレは床のタイルがなんともかわいらしい。

ここまで1階と2階をざっと紹介してきました。
残るのは間取り図にある3階の納戸ですが、
じつはこのお部屋がこのお家の本命、
いやダークホースなのです。

どうですか、納戸こと斜め天井のお部屋。
秘密の屋根裏部屋のようでありながら、
おしゃれな収納に加えて二面採光で、
なんならここを自室にしたい！

ごろんと寝転がると、この光景。
私なら間取り図に「納戸」ではなく
「特別室」って書きますね。

せっかくお家を買うのなら、そりゃあ
手を加えずにそのまま住めるのがベスト。
私だってDIY志向の人間ではありません。
だけど、このすばらしい建具の数々を
活かした理想の住まいを想像すると、
ちょっくらDIYでもやるかという
気分になってしまう。
そんな掘り出し物件ではないでしょうか。