数多くのリノベーション物件を 見てきましたが、 これほど広くて庭付き蔵付きで センスがよくて、このお値段… 本当に驚きました。

ほれぼれするほどモダンに 生まれ変わった平屋の古民家。 300㎡以上の敷地にゆとりを持って 建てられていて、ゆったりとした時間が 流れています。

格式のある建物とはうってかわり 手書きの間取り図が愛らしくて、 思わずにっこりしてしまう。

ダイニングキッチンに2つのお部屋と 部屋数は多くありませんが、 その分お庭の広さを堪能できるはず。 中庭の樹木の絵の横には、マキ、 モミジ、ツバキなどの文字があり、 紅葉の時期はどんな姿かと想像すると より一層楽しくなりますね。 「蔵ベースの店舗」の文字にも ワクワクしてしまいます。

はやる気持ちを抑えつつ 玄関から順番に見ていきましょう。 立派な植栽が品よくお迎えしてくれる エントランス。いかにも日本建築然 としたおもむきです。

上がり框はよく見ると、新しい材木で 補修が施されたようにうかがえます。 飴色の古材と白木のコラボレーション。 新しく意外な美しさを生み出してます。

襖を開けてすぐのお部屋は ダイニングキッチン。 食器棚代わりにもなりそうな 大きなアイランドキッチンが 主役のように堂々とありました。

壁側には調理家電が置ける棚に加え、 元々からあったであろう床脇や床の間を 利用した、飾り棚が続きます。 新旧それぞれの良さを調和させた 見事なリノベーションにうっとり。

ウッディな土台にメタリックな天板の アイランドキッチンは、 お料理好きにはもちろん、 そうでなくても魅力的な代物。

お部屋のテイストにマッチした かわいいトースターや コーヒーメーカーもたまりません。 なんとこちら家具家電付き物件なので このまま利用できるんです。 素敵すぎる！

和のおもむきのお部屋にクールな IHの3くちコンロがあるというのは なんとも未来的な風景で 味わい深いものですね。 キッチンのむこうにちらりと 見えているのは、 コンパクトな書斎のコーナー。

わ、いいなあ、ここ。 朝一番にコーヒーをいれて、 ここでぼんやり庭を眺めながら ゆっくりと目を冷ましたい。 ワークスペースとしてももちろん、 夕食前のお子さんの宿題コーナーなど にしても、目が届きやすくていいですね。

ダイニングも素敵すぎます。 床の間に平書院、 意匠を凝らした障子の欄間。 古来からの和のあつらえが フローリングと組み合わさると こんなにしゃれたつくりになるなんて！ 「和モダン」を絵に描いたような 仕上がりです。

ダイニングから広がるのはアウトドア リビングのようなウッドデッキ。 立派なモチノキを取り囲み 素敵な憩いの場になっています。 休みの日はここでBBQを したいものです。

BBQじゃなくても、晴れた日には ここで庭を眺めながら ご飯を食べるのが定番になりそう。

小さいお子さんにはうってつけの こんなかわいい遊び場もあるそうですよ。

ウッドデッキの横は、このような 渡り廊下になっていて、 キッチンのある建屋とサニタリー・寝室 が集まる建屋をつないでます。

廊下の突き当たりにはパウダールーム。 グレイの壁に広い洗面台と飾り棚。 あの玄関まわりからは 想像つかないほどのホテルライクで クールなデザインです。

お隣は脱衣室兼トイレになってます。

浴室はまさかのスケスケ！ 大きな窓がありお庭を眺めながら ゆったりと湯船につかれます。 お風呂に入るたび旅館に泊まる 気分が味わえそう。

寝室へは、パウダールームから ウォークインクローゼットを 通り抜けて入る、便利な動線。

勾配天井に太い梁が落ち着きと 安らぎを与えてくれる寝室。 白とナチュラル色の木材で居心地よく、 朝日が差し込むであろう東向きの窓が あり、毎日気持ちよく目覚めそう。

ベッドも付属してるとのこと。 引っ越してすぐに ぐっすりと眠れるのはありがたい。

お部屋は玄関横にもうひと部屋あります。 丸いシルエットのある和風の窓が この上なくしゃれてますね。 いまはベッドが置かれていますが、 フリールームとして客間にするもよし、 子ども部屋にしても良さそうです。

最後はおまちかねの蔵ですよ。 あ、気がつきました？ 写真の左側に、青いタイル張りの 水受けがあるのを。 昔の流し台をリメイクしたものなので しょうか…近影がないのが残念。 きっとタイル好きが目を見張る、 麗しい造作だと思います。

蔵の中は土壁に飴色の木材が 素晴らしいこと。 いまなら敬遠されそうな、ちょっと 曲がっている木材が使われている ところも味があってとてもいい。

1階にはコンパクトなキッチンが 備え付けられています。 雑貨屋さんやギャラリー、アトリエ などとしても利用できますね。

経年美が素晴らしい 階段箪笥にもほれぼれ。 こちらをトントンと上がると…

2階の床は金網になっていました。 なんと斬新な！ 木材の曲線美は、1階よりもさらに 味わい深いおもむきです。

場所は兵庫県の豊岡駅から車で30分ほど、 「但馬の小京都」と呼ばれる豊岡市出石町。 出石城跡や風情ある建物が並ぶ 観光地エリアにほど近い立地。

豊岡市は北部に城崎温泉があり、 歴史的にも有名所ですが、 近年は城崎国際アートセンターや 日本で唯一、演劇と観光を学べる 公立の高等教育機関である 芸術文化観光専門職大学も開学。 活気があるうえ文化的な成長が著しく、 移住の促進にも力を入れています。 移住先として大いに魅力的では ないでしょうか。

この規模と設備でこのお値段もうれしい限り。 何度見てもため息が出る美しい内装に、 庭、蔵、平屋のそろい踏み。 移住を考えてる方には特におすすめしたい、 眼福の一軒です。

文・葱山紫蘇子 劇団維新派→色々→介護業を経験。漫画と建物と書き出し小説が好きな4人の子を持つ大阪のシングルマザー。 @sisokoex