こんな顔を持つ建物が
自分の住む町にあったら、
とても気になっちゃうだろうな。
アーチ状の白木枠に
ステンドグラス風の扉と窓。
縁飾りの角丸に連なるレンガも
かわいらしくってたまりません。
レトロな店舗・事務所兼用の
3階建てテラスハウス。
写真左側の角住戸がこちらの物件。
以前の住人はアトリエとして
使用していたようです。
大いに気になる外観に加え、
中には雰囲気のある螺旋階段や
天井高のある洋室などもあり
興味の尽きないつくり。
1階が店舗部分で
2・3階が住居スペースになっています。
下の階からゆっくり見ていきいましょう。
中に入ると外から眺めるよりも
魅惑的でした。
窓はステンドグラスのようですが、
実はフィルムを貼ったそれ風のもの。
とはいえ、光が差し込むとこの艶やかさ。
このまま残して活用するのも
面白そうです。
どっしりとして味のある
カウンターですね。
元々は純喫茶だったとのことです。
スツールを置くと、レンガの縁周りに
足をかけられるようになっているのかな。
壁の端から端までは、
木製のベンチが作りつけられています。
かつてはテーブルも置かれていたのでしょう。
それにつけても、昔の純喫茶の持つ
味わい深いディテールが
随所に残っていて、レトロ好きとしては
たまらないものがあります。
キラキラキュービックな照明に。
磨けば輝きを取り戻してくれそうな
銅板のカウンター。
凹凸のある、ツヤツヤの
ゴツゴツタイルに加えて、
カウンター下と壁を飾る
唐草模様のタイルも、かわいらしい。
壁に取り付けられたレリーフも独特です。
カウンターの内側には流し台があり、
背面には木製の食器棚。
奥に厨房もありました。
お客様から見えにくい所だろうに、
店内の雰囲気に合ったワインレッドの
タイルが貼られ、作られた当時の
こだわりを感じます。
わ、これ、懐かしい！
ガラス製（？）のせっけん液入れ。
使えるのかな…。
使えなくても、小物入れや照明なんかに
リサイクルしたくなる懐かしみ。
ちなみに、厨房の裏にはちょっとした
スペースがあります。
整理すれば、物置として活用できそう。
トイレはさすがに年季が入っていますが
窓もあり、ほど良い広さ。
改装するにしても整えやすそうです。
狭い空間を工夫した、
三角形の手洗い場が愛おしいなあ。
さらに、トイレにある照明が
とっても素敵なんです！
ガラスの花が咲いてるみたい。
見どころ満載の1階に続き、
お次は2階へ。
この写真、えもいわれぬ
雰囲気がありますね。
白い壁に赤い階段。
映画のワンシーンみたい。
レトロな照明もひきつけられるし
天井には満月がぽっかり
浮かんでいるようなトップライト。
遊び心あるチャーミングな内装が
たまりません。
2階には水回りが集められています。
入ってすぐは、キッチン。
けっこうなくたびれ具合ですが、
その分、リフォーム後が
より楽しみになるというもの。
二槽式の流し台にコンロ台が並ぶほどの
スペースがあるので、広さ充分な
キッチンカウンターが作れそうです。
流し台の上には小窓、突き当りには
バルコニーへ出られる扉があり、
採光もよさそう。
まわりに背の高い建物が少ないので、
開放感のあるバルコニーです。
キッチンのお隣は6帖の和室。
洋室に作り変えれば、居心地のよい
リビングになってくれる予感がします。
階段の手前の開口部は、
サニタリースペースへの入口。
写真はありませんが、洗面台の左隣には
トイレがあります。
右側に見えてる蛇口は、洗濯機用かな。
在来工法の浴室は、グラデーションに
なっているタイルがさりげなく素敵。
天井の取り替えとクリーニングで
使用できなくもないかな。
3階には洋室と和室がありました。
斜め天井に高窓で、ここにきても
ユニークな作りに驚き、
愛おしさが増します。
オレンジ色のストライプが
なんともキュートな壁紙ですが、
さすがに手入れが必要ですね。
このテイストを参考にして
仕上げるのもよいかもしれません。
3階の和室も6帖。
和室の趣も捨てがたいですが、
フローリングを敷き、壁側の押入れを
取っ払い、オープンタイプの
クローゼットに作り変えれば
使い勝手のいい寝室になりそう。
梅田からは約15分、三宮駅から約20分と
利便性の高い、阪急神戸線武庫之荘駅
から徒歩10分。
閑静な住宅街ながらも、駅前には
生活に便利なお店が集まり、
住みよい街。
内装を活かした喫茶店や
珈琲焙煎所はもちろんのこと、
洋菓子の製造兼販売店や、土間を広げて
事務所にする手もあります。
色々と夢がふくらむ、店舗付き
テラスハウス。
あなたならどうしたい？
文・葱山紫蘇子
劇団維新派→色々→介護業を経験。漫画と建物と書き出し小説が好きな4人の子を持つ大阪のシングルマザー。
@sisokoex
