曲線、小上がり、土間仕上げ。 個性的な要素が ぎゅぎゅっと詰まっているのに 奇をてらった雰囲気ではなく びっくりするほど自然体のお部屋です。

このお部屋は 総戸数200戸超のマンションの一室。

緑に囲まれたエントランスをくぐると

ずらりと並ぶポストが圧巻。

間取りは2LDK。 リビングも含めて それぞれの部屋が独立するような 珍しい造りになっています。

とにかく好きなのが この角度から見る室内。 どこもかしこも アールで縁取られていて かわいらしいんです。

でもね、かわいらしいだけではなくて。 床はほぼ全面土間仕上げ。 エッジがきいていておもしろい。

畳の小上がりは どんな風に使おうかな。 小さなお子さんがいたら キッズスペースにはもってこい。 寝室でもいいし ちゃぶ台を置いて ここをリビングにするのだってあり。 家に小上がりがある、それだけで 日常がちょっと楽しくなる気がします。

開口部から室内が覗ける こちらのお部屋は

収納も充実していますし

大きな窓もありますよ。 窓からの景色は 視界がひらけていて このお部屋で目覚めるのも 気持ちがよさそう。

対面カウンターの奥のキッチンは 意外にも壁付け。 最近は対面キッチンも多いですが 個人的には 黙々とお料理に集中できる このスタイルも なかなか好きなんです。

キッチンと居室に挟まれた この絶妙な広さのスペースも 実はかなりお気に入り。 ワークスペースにもちょうどいいし スツールを置いて カフェっぽく仕上げてもいいな。 オープンラックには お気に入りの本や雑誌を 表紙が見えるように並べて ライブラリも兼ねたりして。

水回りもハッピーな仕上がりですよ。 実験用みたいな スクエア型の洗面ボウルに 鏡越しに見える黄色のクロス。 この組み合わせは 朝から元気が出ること間違いなし。 備え付けのタオル掛けも 気が利いています。

お風呂は小窓付き。 たとえ小さくたって 窓があってくれるだけで ありがたいんだよなぁ。

そしてこのお家の さらに素晴らしいところは それぞれのスペースに ちゃんと収納があるところ。 洗濯機横にはこの大容量の棚でしょ。

玄関には上にも下にもシューズボックス。

かなりの量が入りそう。

それに、ほら！ 居室へ繋がる扉の横にも さりげなく棚が。 郵便物とか お出かけ前に忘れがちな 日焼け止めとか。 ちょっとしたものは ここで引き受けてくれちゃうんです。

ちょっぴり変わった仕上げを 施したお部屋なのに ちゃんとほっとできる空間。 やさしい色づかいや 細やかな収納づくりで 暮らしに寄り添ってくれていて。 新鮮な間取りでも 地に足をつけた日常で 毎日の「いってきます」と「ただいま」を しっかり想像できるのです。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。 @hs_ryk