優美なモールディングが施された
白い壁に、木枠の上げ下げ窓。
窓の木枠とおそろいの飴色の床。
そして、高い天井。
まるでパリのアパルトマンの一室です。

いや、パリの建物といえば
両開き窓だから、ちょっと違うか。
じゃあ赤毛のアンの家？
上下窓を開けて「ダイアナ！」と叫ぶ
アンの後ろ姿が目に浮かびます。
で、そのあとマリラのお小言を背に
飛び出して行ったりして。

この素敵すぎる外観だってアンの
グリーンゲーブルズハウス（緑の切妻の家）
のようで……なんて妄想が捗りますが、
ここは東京・三鷹。
1989年に建てられた洋館の一室です。
海外からの輸入材をふんだんに使った
というのも納得の佇まいですね。

ちなみに、この建物は女性限定。
セキュリティに配慮して、
エントランスにも鍵が付いています。

建物の玄関で靴を脱いで共用部へ進むと…

この空気感。
やはり日本だとは思えないですよね。

美しく経年した廊下や建具に
アンティーク風の照明がお似合いです。

今回ご紹介するのは、1階の角部屋。
コンパクトなワンルームだけれど
はしごを上ればロフトがあるから、

居室はリビングスペースに全振りできます。
二面の4つの窓に加え、
3.5mの天井高がある
明るく開放的な空間なので、
家具をぎゅっと詰めて置いても
それほど圧迫感はなさそう。
どうしたって絵になるんだろうなあ。

ロフトへのはしごは
気をつけて上ってくださいね。
マットレスを運び込めば、
程良いおこもり感のあるベッドスペースに。
奥の壁には居室とおそろいの照明がひとつ。
こういうディテール、うれしいですよね。

キッチンもコンパクトだけれど、
このかわいらしさですから。
IHコンロは2くちありますし、
料理へのモチベーションが
下がることはなさそうです。

キッチンを含め、水回りの設備は
新しいものに入れ替えられています。
明るくリノベされていい感じ。

ジブリ美術館もある井の頭公園へは
徒歩数分、吉祥寺だって
ちょっとがんばれば歩いて行ける距離。
パリでもないし、
プリンスエドワード島でもないけれど、
きっとそれらに負けないであろう
このお部屋に見合った住環境も
魅力のひとつだと思うのです。