ほっこりじんわり、 あたたかい空気感に リノベーションされた空間の中、 ぽかんとあいた謎の「穴」。 一体、何のための穴？ ちょっぴり不思議な個性に 俄然、わくわくしてきます。

JR兵庫駅から徒歩数分の 路地裏にある連棟戸建。 店舗や事務所として使用できるよう 1階は特に大きく生まれ変わったそう。

大胆に土間で仕上げられた1階と 和室二間の2階。 2階で暮らしを、 1階で商売を営んでもいいし まるごとカフェやギャラリーにしても いいんじゃないかな、と思います。

土壁と土間、 それに構造がむき出しになった天井。 素朴な異素材ミックスの室内は ほっと落ち着く空気感。

そしてね、やっぱり気になるのは この穴ですよ。 なんと、明確な用途はないようで 「お好きに使ってくださいね」の 穴みたいなんです。

あらあら、そしたらどうしましょ。 例えばカフェにしたならば 「小上がり」ならぬ 「小下がり」なんて特等席にしてみたい。 閉店後は独り占めして ここにすっぽりはまって ビールを1杯。

ギャラリーにしたならば 思わずのぞき込みたくなる この形を活かした作品を 展示してもらえたらいいな。

梁なんかも使って 空間を立体的に使った 思い切ったディスプレイを楽しめそう。

階段下には ミニマルなキッチン。

きゅっとコンパクトにおさまって 使い勝手もいいだろうな。 お料理なんかも出すお店にするなら 少し手を加えてもいいかもしれません。

おトイレは 形違いのブラックタイルで スタイリッシュにおめかし。

お風呂はオリジナルのままだそうで 住居を兼ねるなら こちらは自分好みに リニューアルしちゃいましょ。 お店として使うなら ストレージとして利用しちゃうのも 便利かと思います。

2階はこんな感じで 二間続きの和室になっています。 和室ならではの収納がたっぷりで クローゼットやラックなんかは ほぼ不要。 ちゃぶ台にTVボード、 あとはベッドかお布団。 うん、十分暮らせる広さです。

そうそう、さっきから 「少し手を加えて」とか 「自分好みにリニューアル」とか そんな言葉を使ってしまっているので お気付きかと思いますが、 こちらは賃貸ではなく売買物件。 DIYだって自由にできちゃいます。

和室って、柱や鴨居に棚をつけたり 襖の柄を変えるだけでも イメージがガラリと変わるので、 シンプルな和室に 自分の色を加えていくのも 楽しみのひとつに。

とは言っても ひと際個性を放つ この穴があれば それだけで十分な気もするわけで。 ここに足を踏み入れた人に あっと驚いてもらえるように どんな仕掛けをしようかな…と 考えるだけで、心躍るのです。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。 @hs_ryk