なんと風通しのいいこと！ こ、これはベランダですか…？ いいえ。こちらは、2つの棟を結ぶ ながーい渡り廊下。 手の入れようでいかようにも 変身してくれそうな、 大型の京町家の登場です。

道路に面した西棟と、建物にとり囲まれ ひっそり建つ東棟が渡り廊下でつながる ユニークな間取り。 物件ファンファンの特に間取りストの 皆様におかれましては この間取りに、ギュンっと胸を 打たれる方も多いのでは。 掲載元によると、東棟は 「離座敷・旅館」と表記されています。 以前は客商売をされていた 建物なのかもしれませんね。

こちらは建物の1階から見た景色。 ああ、縁側から見る庭は、 やっぱりいいものですね。 こちらはとりわけ窓が大きいから 見ごたえもたっぷり。

庭には石灯篭に手水鉢、 品よく配置された庭石があり、 草木を整えれば、和の趣と静けさを 存分に味わえる素敵な坪庭に なるに違いありません。

2階にも縁側がありました。 こちらも大きなガラス戸で 渡り廊下がよく見えます。 戸の内側にある木製の柵は落下防止の ためのものだったのでしょうか。 時代を経て飴色になった建具と共に 日本の建物らしい和の風情を感じます。

よそではなかなかお目にかかれない、 魅力的な2階の渡り廊下は、 今は物干し台として 活用されているようですね。 これはたしかに良く乾きそう。 どこまで手を入れられるかは 専門家に聞かないとわからないですが、 もし可能なら、雨風をしのぐ壁を 両脇に設け、大きいガラス窓を入れ、 細長いサンルームにするとかは いかがでしょうか。 アイデア次第で唯一無二の 楽しいスペースになりそうです。

もし、2世帯や多世帯で住むなら、 ほどよく離れた距離でプライベートを 保ちながら、快適に暮らせそう。 小さいお孫さんと おじいちゃんおばあちゃんが 向こうとこちらで手を振り合い 笑っている姿を思わず想像して しまいました。

道路側に面する仕舞屋格子（しもたや ごうし・商家ではない町家につけられた 格子）が、京町家らしい和の たたずまいで、とても趣がありますね。 場所は京阪出町柳駅から徒歩約5分の 便利の良さ。

歩いて10分もかからない所に、 鴨川デルタや

世界遺産の下鴨神社、

京都御苑や京都府立医科大学付属病院 などが点在していて、自然・観光・ 住環境がすべてそろっている、 恵まれたエリア。

部屋数が多いので、大家族の 多世帯住宅はもちろん、 旅館や民泊業、飲食店などにすれば 個性的な店舗になりそう。 稀少な大型の京町家を 探しておられた方にも朗報の 一軒だと思います。

文・葱山紫蘇子 劇団維新派→色々→介護業を経験。漫画と建物と書き出し小説が好きな4人の子を持つ大阪のシングルマザー。 @sisokoex