京都の古民家の風情を残しつつ ガレージハウスのような、 はたまた山小屋のような 無骨な雰囲気に仕上げられたお部屋です。

1階にLDKと水回りがまとまり 2階は寝室とWIC。 そして、なんといっても 壁の2面を埋め尽くす 可動棚が最大の見どころ。

玄関の中へ足を踏み入れると そのままフローリングが伸びています。 どこまで土足エリアとするかは自分次第。

床はラフな足場板仕上げなので 思い切って端から端まで 靴のままOK、というのもありかも。

リビングの床との間は 段差でゾーニングされているので 境界があいまいにならないんです。

全面シューズラックにしちゃいたい 靴好きさんもいらっしゃるかな？ 棚板を全部外して 自転車のラックにしたってOK。 目の前に椅子を置いて 心ゆくまで眺めたり お手入れをする時間も幸せだろうな。

本やレコード、アートなんかを MIXして飾るのも楽しそう。 1番上の段は 天窓から差し込む光でライトアップされる 特等席ですよ。

階段でスパっと 斜めにトリミングされたような こちらの面もかっこいい。

ちなみに、近くへ行くと 階段裏までしっかり 棚が通されているのがわかります。

大好きな作家さんのお皿、 ホーロー鍋やせいろ、南部鉄器。 こだわって集めた調理器具は いつでも手に取れるよう 整然と並べてあげたいものです。

木目とステンレスの組み合わせが スタイリッシュなキッチン。 ミニマルな構成で 生活感を抑えたデザインです。

袖壁で仕切られ 半個室感があって落ち着く場所。

落ち着いた色味のリビングには 木製の家具と キリム絨毯なんかがよく似合いそう。

水回りは、正面の壁の 向こう側にありますよ。

シンプルながら、ベージュの壁紙や ぷらりと垂れ下がるまぁるい電球で センスのいい空間。

洗面台はステンレスのスクエア型です。 機器のチョイスへのこだわりが 隅々まで行き渡っていて うれしくなっちゃうな。

バスルームもシックなカラーリングで お部屋との連続性を感じられます。

さて、 可動棚が階段上まで続き ワクワクする景色を見ながら そろそろお2階へ。

寝る前にここから お気に入りの1冊をチョイスして 寝室へ…という流れは 毎晩の楽しみになりそう。

階段を上がりきった奥の棚は デスクスペースとしても 使いやすい仕様。 廊下のすみっこで お仕事に集中できる場所です。

寝室の天井にも 1階と同様どっしりとした梁が走ります。 渋い梁と、かわいらしいアールの壁の コントラストがまたいい。

WIC内はあえて棚やポールを設けず 自由に使える空間になっています。 このお部屋で唯一の隠せる収納なので 自分の持ち物に合わせて 上手にカスタマイズしたいところ。

このお家があるのは 京都・吉田山のふもと。 坂を上って振り返れば 美しい景色が広がる場所です。

木製の取っ手に手をかけて 玄関を開ければ そこに広がるのは 自分の趣味・嗜好で 埋め尽くされた世界。

大人になっても好きなもの、 大人なってから好きになったもの。 自分の趣味の年表を作るように この棚を飾ってゆく日々は きっと人生を より一層彩ってくれるはずです。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。 @hs_ryk