お気に入りで ぴっちり埋め尽くしたくなる マス目のような棚に一目ぼれ。 だけど、それだけじゃない。 じっくり見てゆくと 「ここも好き」「あっちも好き」が 次々と溢れてくるお部屋です。

全体がＬ字になった ちょっと変わった1LDK。 個室の独立性が高いのが 魅力的だな、と思います。

建物の1階でありながら 大きな窓からは 光がたっぷり差し込みます。 足触りのよさそうな無垢床に 自然光がよく似合うこと。

真鍮のバーがアクセントになった 扉も見逃せないポイント。 シンプルだけど 普通じゃない感じが たまりません。

キッチンが完全に独立しているのも なかなか珍しい。 2面に窓があるので閉塞感はありません。 なによりこの空間と ステンレスの無骨なキッチンが相まって 「厨房」というか、「仕事場」というか。 そんな雰囲気が漂っているのも素敵。

ツヤと凹凸で表情のあるタイルだったり アイアンのタオル掛けだったり アンティーク調の棚板だったり。 1つ1つのディテールによって さらにこのキッチンに 夢中になってしまいます。

洋室はリビングとガラリと雰囲気を変えて シックな空間に。

マットグレーの扉と 存在感のある木目のルーバー扉。 あたたかみのある建具と 躯体むき出しの天井との対比が アンバランスでかっこいい。

見た目にこだわるだけではなく クローゼットの中には 棚板や引き出しがついていたりと 使い勝手もよさそう。 きちんと暮らしに寄り添った目線で 作られているのがうれしいのです。

水回りもこの仕上がり。 個人的には洗面台、 特に水栓金具が個性的で 好きだなぁ。

玄関に足を踏み入れた瞬間から このお部屋の中の 「好き」を見つける時間が 始まるんだろうな。

それは例えば コロンとした真鍮の取っ手や キッチンの4くちコンロ。 棚の中に作り上げた 自分だけのディスプレイかもしれない。

住宅街に馴染む この低層の建物、そのものが好き！ なんて方もいらっしゃるのかも。

細部までちりばめられた 美しいこだわりは そこに暮らすだけで 心の栄養になってくれると思うのです。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。 @hs_ryk