素材使いの面白いお部屋は、 見ていてワクワクしてしまいますね。 今回は、個性的な材料を使いながら、 住みやすく設計された お部屋のご紹介です。

シルバーのガルバリウムが きらりと輝く外観。 軒の出がないすっきりとしたイエ型を 豊かな素材感の外構が より引き立たせています。

玄関の壁の素材は木毛セメント板。 もともとはその耐火性能の 高さから、屋根の下地などに 使われていた材料です。 ざらりとした質感が特徴的ですね。

玄関の脇にはきちんと収納も 設けられています。 居住性も考えられているのが ありがたいですね。

階段を上がった先の廊下は、 窓があってかなり明るいですね。 壁の隅に寄せて設けられた窓から 入った光が壁の質感を より引き立たせています。

廊下を進んだ先には10.8帖のLDK。 こちらでは天井材として 木毛セメント板が使われています。

床材として使われているのは フレキシブルボードという こちらもまた下地材として 使われてきた材料。 コンクリートのような質感で 足触りもさわやかです。

業務用の無骨なキッチンも お部屋の雰囲気にぴったりですね。 選び抜いた調理器具で ミニマルにまとめても、 たくさんのモノで溢れさせても どちらでも様になりそうな 懐の深さです。

古民家から持ち込んだという ヴィンテージの建具。 色の濃い木目がお部屋全体を ぐっと引き締めています。

建具で仕切られた先は 日当たりのよいスタディコーナー。 縁側のようにごろりと寝転んでも 気持ちの良さような おこもり感のある空間です。 物干し用のパイプもあるので サンルームとして利用しても よさそうですね。

こちらは5.7帖の寝室。 高めの位置に設けられた窓は、 プライバシーを確保しつつお部屋に 光を取り込んでくれます。 照明も壁付にすることで より落ち着いた印象に。

収納はオープンクローゼット。 左右の可動棚はTシャツや下着類、 その他もろもろの整理に 重宝しそうですね。 棚の上も空いているので収納力は かなりありそうです。

水回りも木毛セメント板と フレキシブルボードで グレーにすっきりとまとめて、

お風呂もピカピカで言うことなし！

間取りは1LDK。 個室とリビングが程よい距離感で、 生活にもメリハリが付きそうです。

今回ご紹介のお部屋は2階がメインの 居室となっているお部屋でしたが、 １階のお部屋にも空きが出たとのこと。 床や腰壁に無垢材を使った お部屋になっています。 素材が変わると また印象がガラリと変わりますね。

下地材の持つムラや不均一さが、 自然素材のような暖かみを感じさせ、 この部屋のおおらかな雰囲気を 作っているように思います。 普段表に出てこない素材を主役にした 個性あふれるお部屋でした。

文・佐藤シュン 浜松で設計事務所をやりながら、黒猫と暮らしています。