長屋とは、1棟の建物を複数の住居に
区割りした、今日の集合住宅の原型。
かつては商人たちが表通りに面した
「表長屋」で商売しながら暮らしたそうです。

そんな長屋のコンセプトはそのままに、
「現代の長屋をつくろう」という
掛け声のもと生まれたのがこちら。
古い建物をリノベや改修したのではなく、
この時代にあえて
ゼロからつくったシン・長屋です。

場所は横浜市の六角橋。
駅前には六角橋商店街、さらには
戦後の闇市のバラックを起源とした
木造長屋が密集する「ふれあい通り」などが
あり、アーケードに人や物が溢れています。

とはいえ古い長屋には防火、防音、耐震
をはじめとする諸問題がつきもの。
現状をいつまで維持できるかわかりません。

そこで、街の未来のために新しいかたちの
長屋を模索し、いわばモデルケースとして
完成したのが「六角橋の四軒長屋」でした。

ギザギザと波を打つように並ぶ
連棟式の4区画のうち、今回の募集は
写真のいちばん手前のA区画。
窓面がもっとも広く開放感がある区画です。

いずれの区画も、1階は路面に向かって
ショップのように開くオープンなつくり。
プライベートスペースは
2階にぎゅっとまとまっています。

ではあらためてお部屋を見ていきましょう。
1階はグレーを基調にした落ち着いた雰囲気。
見上げれば力強い木架構、窓の外には路面。
これだけ中と外がシームレスな空間は、
住むだけではもったいない！

仕事場や作業場にするのはもちろん、
本で埋め尽くして週末図書室として
開放するとか、趣味のモノづくりの
作品を展示するとか。
あるいはパブリックドメインになった
古い映画の上映会を開くのも楽しそうだし
思いつくことはなんでもやってみたい。

階段で2階へ上ると、
天高く開いた窓と、収納もたっぷりの
広々としたシステムキッチンが。

2階は仕切りがないコンパクトな
ワンルームながら、高い天井と
大きな窓のおかげで開放感たっぷり。

奥のスペースはリビングにするか、
ベッドを置いてもいいかな。

さらに梯子を上ればロフトがあるので、
ここを寝室代わりにすることも可能。
高い位置にも複数の窓があり、
光が降り注ぐのがうれしいですね。

バスルームと洗面所は2階に、
トイレは1階にありますよ。

ほかの区画は住宅としての使用もあれば、
ドライフラワー作家のアトリエ兼
ワークショップスペース、
ボードゲームコミュニティの拠点
などとして使われているのだそう。<https://www.homes.co.jp/cont/press/reform/reform_01260/>。

小商いしながら暮らすといっても、
いまの生活を大きく変えることなく
趣味の延長でできてしまうのかも。

六角橋の未来を考えるプロジェクトは
スタートしたばかりとのことで、
これから街がどんどん変わっていく予感。

小商いにも六角橋にもこれまで
興味がなかったというあなたも
ピンとくるものがあったならば、
街に家を開く生活を
この長屋からはじめてみてはいかがでしょう。