地下鉄の丸太町駅から徒歩6分。
釜座通から幅の狭い、けれど明るい路地を
進んだ先に、理想的な町家がありました。

格子戸、通り庇、腰板……。
外観はオーソドックスな町家なのですが、

よく見ると小窓にはデザインガラスが
はめ込まれていて、この時点ですでに
ただの町家ではない予感がします。

間取りは1階に17.5帖のLDKと和室、
2階に9.5帖の和室のある
庭付きの2LDK。表の格子戸を開けて中へ入ると、

吹き抜けになった開放的な玄関がお出迎え。
自転車を置いてもまだ余りある広さです。
沓脱石や味わいのある建具がいいですねえ。
左の障子戸は和室へ、
右の格子戸はLDKへとつづいています。

おうちの主役、LDKがこちら。
全体に張り巡らされた梁、白い天井と壁、
フローリングの床、木の造作棚と
それに調和するインテリアの数々。

低く感じる天井高も含め、
いわゆるリノベ町家として
完璧に近い物件だと思いませんか？

なかでもとくに自慢したいのは、
LDKの中央に設えた幅色サイズのキッチン。

深い緑色のタイルはそれ自体に
味わいがありつつ、
空間のトーンをまとめる役割も
果たしてくれています。

玄関側から庭のほうを見るとこんな感じ。
壁の造作棚はLPに
特化したサイズっぽいのがうれしい。

さらに庭に寄ってみると、
食器棚や天窓があることがわかります。
縁側のランプは、暗くなったら
ほんのり赤い光が灯るんだろうな。

玄関側の和室はふだんは開け放って
LDKの次の間みたいに使ってもいいし、
来客があるときは客室にできますね。

では、キッチン横の階段を上って2階へ。

2階の階段室には窓のほかに
小さな天窓もあり、
外からの光を漆喰壁が
やわらかく拡散させています。

シンプルで気持ちの良い和室。
大きな窓が光をたっぷりとりこんでくれます。

ここにも天窓を発見！
ふかふかのお布団を敷いてもいいし、
すのこのローベッドを置いてもいいですね。

さらに隣には屋根裏部屋のような
ワーキングスペースがありました。
ここにこもればだれにも邪魔されずに
仕事や趣味に没頭できそう。ちなみに1階にある水まわりは
すべて現代のものにリノベされていて、
バスルームも、

トイレも、

洗面所も、

どれも快適に使えます。

自慢のキッチンで料理に腕をふるい、
ワインを開けて、好きなレコードに
針を落としてからディナータイム。
それからミルをガリガリいわせて
おいしいコーヒーを淹れて、
リビングや縁側でくつろいだあとは
2階の和室で朝までぐっすり眠る。

デザインも導線も、これほど
現代の生活にしっくりくる町家、
かなりレアだと思いますよ！