玄関を開けた先に広がる この癒しの中庭…。

これだけでも共同住宅とは 思えないほどの贅沢な空間なのですが、 さらになんと驚きの防空壕つき！ 超・個性的なお部屋のご紹介です。

外観からすでに特徴的。 くの字型の土地に沿うように、 3つの建物を配置し、 中央部分を中庭とした ちょっと変わった形の建物です。

各世帯のバルコニーを突出させず、 インナーバルコニーとすることで マッシブな形態がより強調しつつ、 カーテンを開けていてもお部屋の中が 見えにくいようになっています。

外壁部分では、 コンクリートを固める時の型枠に 構造用合板を使用しているそうです。 コンクリートに木目が浮き上がり、 暖かみのある美しい 仕上がりになっていますね。

エントランスを入ると、 ピロティのような 半屋外空間が広がります。 明るさを抑えた空間から ちらりと見える自然光に ワクワクと心が躍ります。

光にいざなわれるように進むと そこには路地のような共用の中庭が。 生い茂る木々がたたきや 外壁に美しい影を落としています。

型枠となった構造用合板の成分で コンクリート自体がうっすらと 色づいて見えますね。 そのやわらかな色合いが、 樹木との馴染みを より良くしているように思います。

夜の風景もこれまた良い雰囲気。 外壁に揺れる木々の影を眺めながら 小道を抜けてゆき、正面の階段を 上がると今回のお部屋です。

玄関を開けると、こちらもコンクリート。 お部屋の中のコンクリートは つるりとした上品な印象ですね。

玄関を進むと天井が高く 開放的なリビング。 打ちっぱなしの部分と 白く塗装された部分の対比が 美しいですね。

特徴的な三角屋根の形が そのまま現しになっているのも かわいらしい。 2階のお部屋の特権です。

　 キッチンの窓からは中庭が見えるので、 緑を楽しみながら料理ができちゃいますね。

陰影が美しいこちらのお部屋は 寝室にぴったり。

水回りの上部にはうれしい小屋裏収納付き。 普段使わないような かさばるモノの収納としてはもちろん、 ここにエアプランツやポトスなど 垂れ下がるようなグリーンを配置して 癒やしの空間を演出するのもよさそう。

バルコニーから見えるのは阪急電車。 最寄りの西日向駅は準急も停まり、 烏丸駅まで約15分、 梅田駅には約45分と 京都と大阪両方の繁華街への アクセスも抜群です。

間取りは2LDK。 リビング横の3帖ほどのスペースは デスクを置いて書斎のように 使っても気持ちよさそうです。

そしてこちらが共用部から 入ることのできる防空壕！ 1世帯に1区画が割り当てられており、 丸い穴を通ってアクセスします。 この物件を建築している時に 巷を賑わせていた ミサイルのニュースを受けて、 万一の時に入居者さんが避難できたら、 との思いで作ったのだそう。

防空壕に関しては 使わないに越したことはありませんが、 備えあれば憂いなし。 毎日楽しむ中庭と、 万一の時のための防空壕、 2つの対照的な共用部分が 特徴的な物件でした。

文・佐藤シュン 浜松で設計事務所をやりながら、黒猫と暮らしています。