色も素材も混ざっているけれど 個性的すぎず心地いい。 ちょうどいいな、と思える リノベーションが施された 昔ながらの団地の一室です。

青い空と のびのび育つ緑の中に 健やかにそびえたつ プレーンな建物。 団地のサインプレートのフォントって なんでこんなにかわいいのでしょう。

1LDKですが 広めのLDKは袖壁で ゆるやかにゾーニングされているので 生活スタイルに合わせて 仕切ることもできますよ。

玄関へ足を踏み入れるとこの景色。 シックな色でマットに仕上げられた LDKへと続く扉に心をつかまれます。

はめこまれたチェッカーガラスに

玄関横のシューズラックは 古材で作られていて。 早くも見どころ満載で 玄関から動けなくなりそう。

だけど素敵なところは 他にもたくさんあるので 室内へと足を進めましょ。

キッチン前はブルーグレー、 窓側の壁には水色のアクセントクロスで 落ち着きのある明るさ。 コンクリむき出しの躯体の開口部も さりげなくアールがかかっていて 無骨になりすぎない 絶妙なバランスです。

天井には構造材が パッチワークのように貼られています。

クセのある異素材同士でも ラフで表情のあるものの組み合わせは 程よい抜け感があって うるさくないから不思議。

機能的なシステムキッチンは 木目調の面材で お部屋にナチュラルに溶け込みます。

オープンクローゼットには 明るい色のスプリングコートに 生成りのワンピースでしょ、 お気に入りのオーバーオールも 飾るように掛けようかな。 なんて、好きなものを ひたすら並べるひとり暮らしも幸せだけど

ハンガーパイプを半分こしたお隣に 似たような白シャツやら デニムのジャケットやらが 並んでいるような 似た者同士のふたり暮らしも 素敵だな、と思います。

玄関を入ってすぐの洋室は ヘリンボーン仕上げ。

和室の名残がある室内は 押し入れサイズの大容量の収納に 長押も残されていて 使い勝手もいい空間です。

洗面ボウルと鏡が シンプルで潔い脱衣所。 オープンラックは ありがたい可動式です。

浴槽はなくシャワーのみですが かわいらしいマリンランプがあれば それだけで十分。 お掃除がらくちんだったりと メリットもありますよ。

お部屋をあらためて じっくり見ていくと インダストリアルな むき出しの配線だったり

トグルスイッチといった 魅力的なディテールに 気づいて思わずにんまり。

新しいお部屋では なかなかお目にかかれない 型板ガラスも愛おしい。

そしてベランダからは 小さく 淡路島と海も見えるのです。

魅力的な景色と 団地のよさを活かした 異素材ミックスのリノベーション。 程よい抜け感のあるお部屋で 自然の気配を感じ取れたなら 肩の力を抜いて 気持ちよく暮らしてゆける気がします。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。 @hs_ryk