外観からすでに伝わってくる 高いデザイン性…。 芦屋を愛した芦屋生まれの建築家、 小林 恒氏が設計したマンションの 1部屋のご紹介です。

丸窓から見える木々の緑や、 ひと際目を引く真っ赤なオブジェなど、 玄関までのアプローチからすでに 美術館のようなたたずまい。

市松模様のタイルが特徴的な エントランス。 床の仕上げや、列柱の間隔を そろえることで、建物の内外の 一体感を高める工夫がされています。

共用部は入居者自身では 手を加えられない部分なので、 その部分のクオリティが高い物件は 大変貴重だと思います。

中庭にはガラスブロックの柱が そびえたちます。 残念ながら写真はないのですが 内部は階段になっているようです。 一体どんな空間になっているのか 気になりますね…。

中庭に面する舞台のような渡り廊下も あったりと、かなりゆったりとした 空間構成になっています。

ガラスブロックの階段を上っていくと そこは共用の屋上スペース。 芦屋の街並みや六甲の山々を 一望できる贅沢な空間です。

地下にはすっきりとデザインされた 物置スペースがあり、 各戸に割り当てられているので アウトドア用品などはこちらに 収納してもいいかもしれません。

ガラスブロックがゆるやかに 波打つ駐輪場。 共用部分の細部に至るまで こだわりを持って デザインされています。

共用部ばかりに気を取られて しまいますが、室内も素晴らしい。 廊下はチェストを置けるほどに 横幅があるようなので、 趣味のものを飾って ギャラリーのようにも使えそうです。

LDL4+は21.5帖の大空間。 天井や壁は共用部と同様に コンクリートの打ち放しとなっており、 つややかに光るコンクリートから 丁寧な仕事ぶりが感じられます。 あたたかな無垢材のフローリングと 無機質なコンクリートの対比が 美しいですね。

大容量の壁面収納もあるので リビングをきれいに保っておけます。 エアコンを収納の中に組み込んでいる ところに美意識を感じます。

黒い間仕切り本棚はオーダーメイドと いうこともあり、空間にぴったり マッチしています。

キッチンを含む水回りは リニューアルされているのですが、 一見してそうとはわからないくらい 自然な仕上がりです。 これまで美意識のバトンが 受け継がれてきた 結果なのでしょうね。

間取りは2LDK。 2面にバルコニーがあるので 片方を物干し用、 もう片方をくつろぎスペースとして 利用してもいいかもしれませんね。

広い方のバルコニーからは 芦屋の街並みがバッチリ見えますよ。 芦屋は坂が多いのですが、 この建物から最寄り駅までの道のりは 平坦なので通勤もラクラク。 神戸はもちろん大阪・京都へも 通いやすい便利な立地です。

こちらの物件、実は 設計者の小林氏の生家があった土地に 建築した、記念すべき ひとつめの作品なんです。

当然小林氏の思い入れも強く、 彼の作家性が随所に表現されています。

こだわりの詰まった建築で、 芦屋ライフを満喫してみては いかがでしょうか。

文・佐藤シュン 浜松で設計事務所をやりながら、黒猫と暮らしています。