窓からの景色で、 街のちょっとした変化に気づいたり、 四季の訪れを感じたりする。 何気ないことですが、 とてもすてきなことだと思います。

窓からの景色をより楽しめる、 小上がりのある マンションリノベーションの ご紹介です。

腰掛けることはもちろん、 床に座った時には肘かけのように 使うこともできる、 38cmという絶妙な高さ。

天井も梁下に合わせることで、 すっきりとした落ち着いた 空間に仕上がっています。

窓の外には大きな桜の木が。 春にはこの窓辺が お花見の特等席になりそうですね。

そしてこちらのお部屋、 なんとうれしいペット可！ 小上がりはひなたぼっこにも ぴったりですね。 大好きなおもちゃはバスケットに 入れて足元にしまっておけば お部屋もスッキリ。

外壁沿いではなく 部屋の内側に独立柱があるという ちょっと変わった構造。 この柱によって窓辺のエリアが 2つにゾーニングされています。

床に座っているときには 柱によって視線が遮られますが、 小上がりに腰かけると 壁と柱の隙間から 向こうに腰かける人とも 目が合うようになります。

窓辺に居場所を設けることにより、 一見マイナス要素である大きな柱が、 姿勢や行動によって関係性が変わる 特別な空間を作り出すための 舞台装置に一変しました。

キッチンも窓からの景色を 存分に楽しめるアイランド型に。 眺望もさることながら、 食洗機や浄水器付きの水栓など 機能面も充実しています。

LDKは圧巻の29.6帖！ メインの開口部を全てLDKに割り振った いさぎよい空間構成です。 窓辺の小上がりがあることで 居場所が生まれ、ゆとりはあるけれど、 間延びしていない空間になっています。

落ち着いた雰囲気の6.4帖の寝室。 こちらのかわいらしい室内窓は、 飛騨の広葉樹・ミズメの無垢材で 特別に作成されたものなんだとか。

この室内窓のおかげで寝室からも 桜の木を眺めることが できるようになっています。

ダイニング横にはもう一つ個室が。 書斎やワークスペースに ちょうどよさそうなサイズ感ですね。

その個室と廊下をつなぐように 設けられたウォークスルークロゼット。 おうちのほぼ中心にあるので、 どこからでもアクセスしやすい 便利な配置です。

窓の位置や構造などの制約がある マンションリノベーション。 その制約の中で、 お部屋が持つ魅力を引き出した 素晴らしいリノベーションでした。

文・佐藤シュン 浜松で設計事務所をやりながら、黒猫と暮らしています。