ち、築112年…！圧巻の迫力！ 建築好きの方はご存知であろう、 神戸・海岸通エリアの 『海岸ビルヂング』です。

ビルディングではなく、ビルヂング。 フォントも、ブルーの扉も、 石積みの外壁も、 仄かに灯るアンティーク照明も ああもう全部がたまらない！

明治44年に建てられ、 国の登録有形文化財にも 登録されている建築。

改めて、これが第一次世界大戦の 前に建てられたことに感動します。

戦災と震災により、 当時とは姿が違う部分も 多々あるそう。

とはいえ、ご覧の通り 圧倒的な風格は健在。 建設当時の人たちにとっても 建物が完成したときは かなりのインパクトだったのでは ないでしょうか。

この名建築に 物販、アトリエ、事務所などの 用途で入居される方を募集しています。

海岸通エリアでは最古の近代建築を 職場にできるなんて、夢のよう…！

まず外観からして 気持ちが昂りますよね。 ここに出社できるなんて、 羨ましいにもほどがある！

御影石積の外壁には 格調高いレリーフが 施されています。

足を踏み入れると タイムスリップしたかのよう。 一直線に３階まで続く階段が お出迎えです。 まるで物語が始まりそうな…。

見上げれば目が釘付けになる、 吹き抜け天井のステンドグラス。 優しい自然光が屋内を包みます。

照明も多すぎず、落ち着いた明るさの 空間であることがまた、 この名建築の貫禄を 引き立たせているように思います。

今回の募集区画は ３階の302号室。

角部屋で、このフロアの 他の区画よりもやや広めです。

モスグリーンの扉の先に 各区画があります。 良い色合いだなあ… この扉を開けるたびに ときめいてしまいそう。

同色でハーフペイントされた壁も、 なんともかわいらしく、懐かしい。

室内はちょっと印象が変わり 白壁が優しい明るさを 生み出している空間です。

共用部とはひと味違う アンティークな雰囲気ですね。

天井が高く、とても開放的。

この力強い床の質感に グッときます！

なんと建築当時のブナ材を そのまま使っているそう。

今まで丁寧に使用されて きたんだなあ… その遥かな時間を 想像するだけで鳥肌が立ちます。

白い壁とブナ材の床の コントラストが素敵。

業務用空調や照明は設置済み。 家具などを持ち込めば そのまま開業できそうなほど きれいに補修されています。

給排水、ガスの引き込みは不可で、 トイレや給湯室は 共用となっております。 こちらは窓からの 日差しが明るい給湯室。

古い建物は水回りが ネックになりがちですが、 現代風に改修されており 清潔感があります。

懐かしい建具は 残しつつの仕上がり。 照明も共用部同様、 アンティーク調のものの ように見えます。

「あき」の表示も なんて懐かしい趣！

クリーム色の扉も レトロかわいいです。

さて、せっかくなので、１つ降りて ２階も見ておきましょう。 アンティーク照明が 静かに反射する廊下。 この一角だけでも、なんてドラマチック！

ステンドグラス天井がある ３階に比べ、落ち着いた印象です。

歩くとコツン、と 音が反響しそう。

写真からも伝わってくる 静けさと重厚感に ただただうっとりです。

ちなみに他の区画についてですが アパレル、カフェ、美容サロン、 事務所などが入居中です。

「名建築に素敵なお店あり」 の法則に反することなく、 海岸ビルヂングにも 個性的な店舗や事務所が集合。

まるで小さな百貨店の ようにも感じます。

レトロ建築に入居できる機会なんて 滅多にありません。

私なら、浮かれて 仕事にならないかも…

文・戸田江美

デザイナー。おばあちゃんの仕事を継いで荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。@530e

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