格子と箱階段が織りなす、隠れ宿のような京町家(京都市東山区76㎡の賃貸物件)
この物件は現在は募集終了している可能性が高いです。過去物件のアーカイブとしてお楽しみ下さい。
こんなにも格子や 多様な木の表情が組み合わさった お部屋、見たことない!
八清さんの手がける物件を見ると いつも驚きと発見と ときめきが押し寄せます。 今回の賃貸物件も、 びっくりと萌えが 怒涛のラッシュですよ。 まずはご覧あそばせ、 この箱階段! このミニマム感と 木のつややかな質感に 非常に萌えます。
収納内がライトアップもされるようで 大事なコレクションを飾るのにも最適。
なんだか一定の順番で
引き出しを開けると
カラクリが発動しそう。
そんなわけないと思いつつも
ワクワクしてしまう…
まるで質の良い箪笥のようで ぱっと見キッチンとは思えません。
壁一面に貼られた ブラウンの細かなタイルも、 黒い天板に合わせた 黒のIHコンロと水栓も、 スタイリッシュで惚れ惚れします。 しかも食器洗い乾燥機つき!豪華!
と思ったらなんと、 付属するのはこれだけでは ありませんのよ…! 冷蔵庫、乾燥機付き洗濯機、電子レンジも 備え付けですって! ちょっと、今すぐ 引っ越してもいいですか…!
家電類の色も部屋に合わせた
落ち着いた色味。
金色に輝く壁の意匠も相まって なんだかご立派な 宿泊施設に来た気分です。 2階に登ると、下から見えた すのこ状の床がお出迎え。
梁もすごい迫力だし、 建具もどれも素晴らしいし… ここだけ見ると住居らしからぬ非日常感。
と言いつつ、目の前の扉が開いている 部屋はトイレです。
1階にもトイレがあるので
同居人同士でバッティングせずに
使える贅沢仕様。
2階には和室と洋室があります。
洋室は寝室としての使用が
想定されているようなデザイン。
ベッドサイドにちょうどコンセントと
小さな照明がくるようになっています。
腰高の木の壁の表情も良いなあ。
見上げればこれまた大きな梁と
素敵な間接照明。
吹き抜けにあったのと同じ
金色に光る壁面意匠も
存在感があります。
石で構成されたお庭なので
お手入れの手間が
あまりかからなさそう。
つくばいと石灯篭もあって
風情がありますねえ…。
風鈴ぶら下げて、
夏の音に耳を澄ませながら
ここで夕涼みビールをキメたい。
花粉や埃を部屋に 持ち込まないという面でも 玄関すぐに収納があるのは 便利ですね。 最後に外観を拝見。 陽が落ちてきて 照明が付いた様なんて、 まるで隠れ宿のよう。 外壁から突き出した 出格子があるのも これぞ京都の町家、という感じで すごく憧れます。
よく見ると出格子に ポストがピタッとハマっていますね。 この物件は2023年に リノベーションされたばかり。
ちなみに閉鎖謄本によると 明治45年の登記記録があるそう。
町家らしい大枠を残しながら こんな風にモダンな物件が作れるんだ...! こんなハイクオリティな京町家が 賃貸で募集されるってかなりレアですよね。 しかもふらっと歩けば 清水寺や八坂の塔など 京都を代表する地に行ける好立地。
住む人が心から羨ましいです。
文・戸田江美
デザイナー。おばあちゃんの仕事を継いで荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。@530e