地下の部屋って、おそらく一般的には
あまり良いイメージはないと思います。

韓国映画『パラサイト 半地下の家族』でも
貧しい一家が暮らすのは半地下の住宅でした。
それとは対照的に、お金持ち一家が住むのは
コンクリートとガラスを多用した
モダンでおしゃれな邸宅。
そんなイメージを覆す、
2つの要素を一緒くたにしたような
素敵でおもしろい地下のお部屋を
代々木上原で見つけたのでご紹介しますね。

しかも記事の見出しにあるとおり、
緑あふれる景観を独占できちゃう部屋です。
地下なのに緑ってどういうことかというと、
こういうことです。

たしかにめっちゃ緑！
これが部屋から見えるってこと…？

種明かしをすると、
このスペースはお部屋のテラス。
ここにテーブルセットを置いて、
ごはん食べたり仕事したりすると
最高に気持ちがいいだろうな。

さらにこのお庭のようなテラス、
リビングの大きな窓から丸見えです。
昼間ならそれなりに日光を
取り込めるでしょうし、
テラス用のダウンライトがあるので
夜も緑を愛でられてしまいます。
つまりテラスからも部屋からも
この景色を独り占め。
自分専用の緑。
なんて贅沢……！

お部屋はテラスの見える18帖のLDKに、
6帖の洋室＋ウォークインクローゼット、
そしてサニタリースペースという間取り。

LDKはややコの字っぽい配置で、
キッチンとそれ以外がさり気なく
ゾーニングされています。
地下であることに配慮して
ダウンライトが多めに設置されているほか、
除湿機が完備されているのもうれしい。

別角度から見るとこんな感じ。
なんとなく『パラサイト』のおしゃれ邸宅を
想起するのは私だけでしょうか……？

こちらの窓からも
外の緑が見えるそうですよ。
3くちガスコンロのキッチンは食洗機付き。
収納も多く、快適に料理できそうです。

キッチンの背後にある引き戸を開けると、
そこはサニタリースペース。
フロートタイプの洗面台、壁のタイル、
そして扉の上のガラスが良いですね。
ガラスには人が使用中かどうかが外から
一目瞭然という機能的な側面もあります。

サニタリースペースのキッチンとは逆側の
引き戸を開けて6帖の洋室へ。
窓がないので日光は望めなさそうですが、
間取り的に寝室でしょうからまあ問題なし。
このお部屋と、つづきになっている
4帖の広さのウォークインクローゼットの
両方に除湿機が完備されています。

玄関のシューズボックスも
ご覧のとおりの大容量！
このお部屋で収納に困ることはなさそう。

部屋の外に出ると、おしゃれ共用部が。
こ、これはワシリーチェアでは！？
マルセル・ブロイヤーの代表作で、
いまも生産されている彼の作品の中では
たぶんもっとも高額な椅子のひとつですよ！

ほかの共用部を見ても、この建物が
すみずみにまでこだわってつくられ、
大切に管理されているのがわかりますね。

場所は代々木上原のなかでも
ひときわ閑静な住宅街・上原2丁目。
カタネベーカリーも岬屋も
歩いてすぐそこです。

夏、このお部屋のテラスに座って
緑を眺めながら、
キンキンに冷えた緑茶と
岬屋さんの水ようかんを味わう。
それ以上に幸せなことなんて
そうそうない気がするのです。