大和天井に杉板の壁、 木製の建具に レトロな型板ガラス。 その趣のある 美しい佇まいにうっとり。

築114年という 長い長い歴史を持つ京町家です。

京町家の風情を残しながらも 水回りなどは一新。 今の暮らしに合わせた リノベーションが施されています。

1階にはダイニングスペースの他、 水回りがすべてまとまっており コンパクトで暮らしやすい造り。

ゆったりとした土間には 自転車なんかも 余裕で置けちゃいます。

キッチンの横には大きな窓。 お部屋の奥の坪庭まで まっすぐ風が通り抜けて 気持ちがよさそうです。

じんわりとライトアップされた 淡い木目調のシステムキッチンは 和のテイストに囲まれていても よく馴染むこと。

扉を開けてど真ん中の配置、 潔くてかっこいいですね。

水回りは全体的に シンプルな設備が採用されていて お手入れもしやすそう。

京町家に憧れつつも やっぱり毎日使う場所は お手入れも修理もしやすい方が 安心だったりもして。

2階へと上がれば 天井に走る太い梁の威厳に 改めてこの建物の 長い歴史を実感することができます。

天井を見上げて 114年前はどんな人が暮らしたのかな… どんなごはんを食べていたのかなぁ… なんて ぼーっと思いを馳せてしまったり。

このお家に がっかりされないように きちんと住み継いでいくぞ、と 気持ちは張り切りつつも

ふんわり差し込む日差しと 畳の存在にはあらがえず そのままごろんと うたた寝するところまでが きっとワンセット。 和室があるって、いいですよねぇ。

個人的には 外壁のタイルもとってもお気に入りです。 このタイルの風合いと 木製の格子の組み合わせは 新しいお家では なかなか出会えない気がします。

この京町家がある西陣エリアは 創業百余年の鰻店や老舗の豆腐屋さんなど これぞ京都、を感じられる お店がそろう一方、 スーパーやホームセンターなども充実した 暮らしやすい場所だそう。

昔の趣に現代の暮らしやすさが 上手に溶け込む京町家のリノベーション。 この家の歴史を これから紡いでいける人を 心からうらやましく思うのです。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。 @hs_ryk