いきなりですが、鉄が好きです。
うちの部屋のソファの脚はアイアンだし、
テレビやレコードプレーヤーを置いている
横長シェルフの脚もアイアン。

個人的にお部屋がキマるかどうかは
「黒」の分量とバランスだと思ってまして、
その意味でアイアンはいい塩梅に
黒を与えてくれるんですよね。

そんな私が思わず悲鳴を
上げそうになった物件がこちら。

葉山の海から徒歩2分の場所に立つ
スケルトンハウスです。
いい感じに経年した外壁の
レッドシダーが味わい深い。

たしかに素敵だけど、
アイアン関係ないやんと思いました？
大丈夫、ここからすごいから。

玄関を開けると目の前に現れるのは、
重厚な鉄製の階段。
いきなりノックアウトです。

この階段、鉄柱のささらに
鉄の踏み板をボルトで留め付けた、
「鉄砲」と呼ばれるタイプの階段だそう。
写真ではわかりませんが、よく見ると
踏み板は表面に加工が施されているほか、
縁には無数の小さな穴が開いているなど
かなり手の込んだもであるとわかります。

それもそのはず、この家の内装を
手がけたのは2人のアイアンアーティスト。
この階段ひとつとっても、
「作品」だと言えるのかもしれません。

2人の仕事は階段だけにとどまらず、
階段を囲うフェンスのような柵から、
ランプシェードや棚といった
インテリアまで。
ああ、眼福……！

ここで家の図面を確認しておきましょう。
全面が土間の1階にはオープンスペースと
水まわり、そして寝室を配した
ユニークな間取り。
2階には20帖のLDKとプレイルーム、
広々したウッドデッキがあります。

1階の土間には、ひび割れしにくく
防水性にも優れた「モールテックス」を採用。
こっちが小商いにも使えそうな
オープンスペースで、

こっちは寝室。
壁と土間の落ち着いたグラデーションが
快適な眠りをもたらしてくれそう。

1階奥にあるパウダールームと浴室も
モールテックス仕上げ。
モノトーンの空間を、
鉄の格子窓が見事に引き立てています。

水まわりを仕切るのは、滑車付きの鉄の引き戸。
そちらには鉄線入りのガラスを嵌め、
隣の黒いドアにはチェッカーガラスを。
こだわりとセンスがほとばしっていますね。

鉄の引き戸の持ち手をアップでどうぞ。
これはもはやアート作品では！？

さて、つづきまして2階へ。
床は無垢のオーク材。
板の幅を細身にすることで、
引き締まった印象に仕上がっています。
天井高2.7ｍの開放的な空間だから、
このまま仕切らずゆったり使いたい。

わかりますか？
この完璧な黒の分量とバランス。
アイアンたちが朝の光を浴びて
神々しく輝いていますね、、

オリジナルのキッチンユニットは
鉄パイプを加工して制作。
天板にもモールテックスを
採用したそうですよ。
白いタイルもアイアンの棚も
ぜんぶ良い。大好き。

広々したウッドデッキにまで映える黒。
もうなにも言うことはありません。
はー、お腹いっぱい。
じゃなくて、恋してしまって胸が苦しい。