天井も床も無垢の木。 窓の向こうから覗く緑。

木々のあたたかさに くるまれるような部屋です。

のどかな空気が流れる 京都山科区のテラスハウス。 ２階建なのでなんだかちょっと 戸建て気分で暮らせそうです。

優しい風合いの空間に ふと肩の力が抜けますねえ。

この１階のLDKでご飯食べて、 アンティーク家具屋で買い求めたソファで のんべんだらりと過ごして、

陽だまりのテラスにテーブルセット出して 積読してた本をまったり読みたい。

１階にまとまっている 水回りたちがかわいいんですよ。

まずはこの洗面台。

白いタイルと赤い引き出しの組み合わせ、 なんてレトロかわいい…！ 引き出しの取っ手の、 湾曲した形もユニーク。

白いタイルを背景にチューリップを 飾りたくなるようなかわいらしさ。

キッチンにはくすみブルーのタイルが 一面に貼られています。 洗面台と合わせてタイル兄弟。

３くちコンロのシステムキッチンで 作業スペースも広々としています。

さわやかなタイルに囲まれた空間、 気分も軽くなってお料理時間を楽しめそう。

トイレには真鍮のシンプルな トイレットペーパーホルダー。 うんうん、かっこいい。 床はなんだか異国情緒を感じる モノトーンの幾何学模様。

お風呂も新しめ。 ほうほう、お若い物件なのね… と思いきや、

このお家、こう見えて 御年59歳なのだそうです。

今年リノベーションされ、 フレッシュさを取り入れつつ 程よく懐かしさを残した 空間になりました。

さて２階へ行ってみましょう。 手すりや建具などは 和を感じる品のいい佇まい。

この取っ手の味わいも、 良きかな良きかな。 障子をドアにリメイクしたのでしょうか。 すごく気になる意匠。

見上げれば、交差する立派な梁が 無垢の天井を支えています。

２階は寝室と書斎にしましょうか。

日当たりもよく、気持ちよく 目覚められそうです。

朝から晩まで のんびり暮らせる空気が 写真からふわふわと漂ってくる。

お気に入りの箇所が あちこちに見つかりそう。

こんなお家に ひとりで悠々気ままに 暮らしてみたいなあ。

全体的にシンプルだけど 各素材の存在感が効いていて、 こだわって大事に大事に リノベーションされたんだなあと 伝わってきます。

壁の色味だって 木の天井と床から浮かないような 絶妙な淡い色が選ばれてる。

日々触るスイッチは フランスのアンティークで見かけるような 小ぶりの陶器製。 ぽてっとした見た目も カチッと鳴る音もかわいい。

照明選びだって気を抜きません。 レトロ物件と相性の良い 月のようなまん丸ライト。

まん丸とひとくちに言っても 真鍮パーツと組み合わせたペンダント型や、

真っ白な月が浮かんだような 壁付きライトなど、 それぞれの空間に合った セレクトがされています。

夕暮れなずむ哀しげな時間帯も、 まん丸ライトがまさに月のように輝く夜も、 さぞかわいらしいことでしょう。

かわいいこの部屋を愛でながら、 静かに暮らしたい。 あ、畑の花が咲いてるな、なんて 呑気に思いながらぼんやり過ごす。

そういう時間がなんだか お似合いの物件です。

文・戸田江美

デザイナー。おばあちゃんの仕事を継いで荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。@530e

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