積み上げられたガラス箱が 宙に浮かぶように連なる 個性的な姿。 原宿にある名建築、ビラ・ビアンカ。 目にするたびに憧れがつのる ヴィンテージマンションに 和のしつらえが残るお部屋が あるのだとか。

ほほう、洋室に障子とは粋ですね。 これはしゃれた和洋モダン。 栗色の丸い柱も よいアクセントになっている。

あ、ここ、キッチンなんだ。

角が丸く、優しいフォルムの流し台は まるで、ミッドセンチュリーの 家具みたい。 こちら、オフィス利用専用なので スタイリッシュなキッチンは きっと役立つはず。

床のクッションフロアは シンプルなものに 変更予定とのこと。 レトロフューチャーな 今の柄もかっこいいけど 新しいものがまた、 違った表情を見せてくれるのも 楽しみだ。 写真の右奥には玄関とトイレ。 左には居室。

この居室にも障子戸が。 角に柱の無い2面の窓とは珍しく、 高級感がある。 大きな窓のおかげで お部屋がとても明るい。 折り上げ天井の 開放感もうれしいつくり。 隣の部屋との仕切り壁は 撤去も可能だそうで、 さらにお部屋を広げることも 叶いそう。

こちらはもう一つの居室。 そうか、外から見たあの窓の内側は こんな風になっていたのか。 想像以上に素敵だ。

キッチン横の大きな窓の外は バルコニー。 今はさびし気な景色だが 備え付けの花壇に 植栽をほどこせば 仕事の合間にリフレッシュできる 気持ちの良い休憩場所に なるに違いない。

このスペースに テーブルセットを置いて、 バルコニーを眺めながら クライアントと打ち合わせすれば 仕事も和やかに進みそうだ。

遅ればせながら間取り図を確認。 おや、玄関を入って東側に 八角形の不思議な部屋が 描かれている。 位置から推測すると 浴室跡かしらん。 残念ながらその写真は無い模様。

私の見立てが間違っていなければ この写真の奥の方なんだけどな…。 仕方ない、実際に内見するまでの お楽しみにとっておこう。

玄関わきにあるトイレは 以前に刷新されたのであろう、 この築年数にしては 新しくて清潔感がある。 四角くてコンパクトな 手洗いがかわいらしくて 思わず微笑んでしまう。

レトロ感のある エメラルドグリーンの玄関扉もいいな。 郵便受けが、扉の横にあるというのも ユニークだ。

外側はウッディな加工が施され 絨毯敷きの共用部と相まって とてもラグジュアリー。

美しいガラスブロックの円柱は、 吹き抜けになっていて 排気と採光の役割を 果たしているのだとか。 考え抜かれた意匠に 心からほれぼれしてしまう。

デザイナーズマンションの 先駆けと言われるビラ・シリーズ。 第一号のビラ・ビアンカは 1964年の東京オリンピック 真っただ中に生まれ、 時代を越えて愛され続けている。

惜しむらくも、建て替え計画が あるけれど、時期は未定。 憧れの場所でオフィスを 構えられる機会を ぜひ見逃さないで。

文・葱山紫蘇子 劇団維新派→色々→介護業を経験。漫画と建物と書き出し小説が好きな4人の子を持つ大阪のシングルマザー。 @sisokoex