この雰囲気、やっぱり好きだなぁ。
漂う、昭和のかほりと温もり。

外観も、最高ではないですか。
小ぶりで、年季の入った…いや、
シャビーな白壁が何とも良い味わい。
ブルーグレーの階段や窓枠、
グンと伸びたソテツの木。
この雰囲気は、作ろうと思って
一朝一夕でできるものではありませんからね。

間取りは6畳が二間。
ふむふむ、使い勝手も良さげだし
ひとりでも、ふたりでもいいな、
と思えるサイズ感。

玄関ドア上のモールガラスがまた
たまらないですね。
こういう古いガラスは
出来る限り大切に残してほしい。
ちゃんと下駄箱もありますよ。

さてさて、
どんなレトロ部屋が待ってるかと思ったら
これです。
良い意味でのギャップに、きゅん。
昔のままの窓からたっぷりの陽射しが
ステンレスのワークトップに反射する。
なんだろ、この切なくなるような懐かしさ。

白壁に藍色のタイル、
大好きな組み合わせ。
ピカピカのコンロまわりだけ見たら
トマト煮込みが似合いそうなのに、
この風景には、
雪平鍋から立ち上る湯気が似合う。
毎朝、お味噌汁を作りたくなる、
そんな窓辺の台所。
すぐ横の新しいドアは
お風呂場への入り口。

開けるとこれまたびっくりするような
丸ごと新しい、真っ白な浴室。

脱衣場はないので、気になる場合は
つい立てを立てるか
天井から布を垂らすかしたら良いかしら。
木のドアはトイレです。

こちらも古いものから
アップデートされまして、
何の不便もありません。

洗濯機置き場は玄関の横にありますよ。

一階なのに、これだけたっぷりと
光が入ってくるのは、本当に嬉しい。
見るからに気持ちの良い
オーク材の無垢フローリングが
部屋の柔らかい表情に一役買っている。

この陽だまりでゴロゴロしたい…。
一度寝転がったら、起き上がるのが
かなり困難であろうことは、
容易に想像できるけど…。

窓の向こうにはお隣さんの渋い生垣が見え、
今が令和であることや
ここが東京23区であることを
一瞬忘れてしまうような
ゆったりした趣と、平和な空気。
高円寺と中野、どちらの駅からも
歩いて10分ちょいという環境に、
思わずビビビ！と来てしまう方もいるのでは。

街の利便性と楽しさに加えて、
このレトロで優しい雰囲気の中で
紡いでいく時間。

長く大切にされてきた
古き良き木造アパート。
少しお色直しされ、
過ごしやすさとかわいさが増した部屋は
さらに愛され続けていく未来が見えて
何だか勝手にほっこりしてしまうのでした。