初めてのひとり暮らしに選んだ部屋は、
まるで、未来を祝福してるかのような
空気に満ちていた。

足を踏み入れた途端、
色とりどりのカーペットがお出迎え。
目の前に見えるのは…？

そう、バスルーム！
まばゆいばかりの陽射しが
さんさんと降り注いで
ガラスがきらめいて。
ちょっと目眩がするほどだった。
カクカクアーチの向こうの小さなハシゴ、
光溢れるスペース、
どうなってるのかな？と気になる
ワクワクがぎゅっと詰まっていて。

間取りはちょっとユニーク。
ほぼセンターに位置するバスルームが
この部屋の主役といってもいいのかも。
光溢れるスペースは
まさにサンルームみたいだった。

今、体育座りしながら見える風景。
最高じゃない？
味の出た木の床、
一段下がったサンルーム、
スケスケのお風呂、
低めのロフト、
ここ、ロフト下のおこもりスペース。
「好き！」が全部、
手の届く範囲に集合していて
思わず身震いしてしまう。
ここには、もふもふのクッションを
いくつも置いて
小さな図書室みたいにしている。

上は、寝るためだけの場所。
だけど、枕元に
ライトもコンセントもあるおかげで
ついつい読みかけの本を持ち込んだり
動画に見入ってしまって
寝落ちしてしまうのも日常茶飯事。

晴れた休日の昼間っからお風呂に浸かる
幸せといったら…！！
脳みそが溶ける。

好きなだけ朝風呂を楽しんだら、
炒めたベーコンや卵を
適当にトーストに挟んで
珈琲を淹れて、ブランチ。

ひだまりに置いた丸テーブルで
もしゃもしゃ食べる。

せっかくの晴れた日にお出かけしない
罪悪感みたいなものから解放されて
ずっと家に居たくなってしまったのは
いいのか、悪いのか。

実家にいた頃は放置だった
お布団だって、毎週末
ちゃんと干している。

どこもかしこも、きちんと
おひさまの光が入ってくるのは
本当にありがたい。

一点の曇りなく磨いとこうって思う。

実家から持ってきた荷物と服は
クローゼットに入る分だけ。

食器や鍋も、
シンク下に入る分だけ。
私の最小限で最大の幸せ空間が
モノに侵食されないように。

なんてことないマンションの1室に
こんな最高な空間があるなんて
誰も思いやしないだろうな。

今はこの部屋を出るなんて
考えられないけれど、
いつかさよならをした時、
まばゆい光に包まれた
大好きが詰まったこの部屋を想って
泣いてしまいそうだな。