白一色にお色直しされた空間。 何気なく置いた家具や植物も なんだか画になってしまいそうな すてきなお部屋です。

間取りはホームベースの ような形の2LDK。 くいっと曲がった廊下が なんとも愛らしいです。 変形の間取りで出てきてしまう 三角形の部分を、 トイレや収納などとして 利用しているので、 お部屋自体は家具の配置が しやすそうな形状になっています。

玄関を入るともうまっ白！ 個室の壁の上部が抜けていたり、 廊下がくの字にまがっていたりと、 ひと目で見通せない部分があることで、 その先の奥行きを想像して、 より空間の広がりを感じられます。

廊下の途中までモルタル部分を 延長することで、玄関もより一層 広々とした印象に。

ドアノブや蝶つがいまで 白いものを採用しています。 普段あまり目がいかない部分ですが、 じっくり見てみるとその完成度に 驚かされます。

トイレも角度が付くことで ちょっと奥ゆかしい感じに。 ドアを開けたときの 圧迫感も感じにくくなりますね。

洗面は壁付の水栓ですっきりと。 無駄なものを省いたからこその 美しさがあります。

廊下を抜けていくとリビングが 見えてきます。 正面に窓があるので自然とそちらに 視線が誘導されて開放感を感じますね。 つややかな壁に映る反射光も美しい。

窓下に収納を設けたり、 窓周りの壁に厚みを持たせることで 出窓のような開口に。 梁の出っ張りを隠して フラットな面をつくり、 フレーム感をより強調しています。

キッチンも白一色。 パントリーや冷蔵庫を収める スペースもあるので 生活感を押さえることができますね。

白いお部屋に白い家具をあわせるのも すてきですよね。 白で統一されているからこそ、 陰影をより強く感じます。

時間や季節によってお部屋の表情の 移り変わりが楽しめそうです。 毎日の光の変化に気づくことが できるようになるかもしれませんね。

文・佐藤シュン 浜松で設計事務所をやりながら、黒猫と暮らしています。